電話による特殊詐欺の手口とは?被害を防ぐ方法を解説

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特殊詐欺は電話を使って被害者に接触し、個人情報を聞き出したり金銭を騙し取ったりする手口が多いです。警察庁のデータによると、特殊詐欺の7割以上が電話を通じて行われており、その多くが高齢者を狙っています。

特殊詐欺の手口は年々巧妙化していますが、適切な対策を講じることで未然に防ぐことが可能です。本記事では、電話を利用した特殊詐欺の現状や具体的な手口、そして被害を防ぐための対策について詳しく解説します。

目次

電話による特殊詐欺の現状

電話による特殊詐欺の現状

特殊詐欺は電話を主要な手段として行われるケースが多く、被害を防ぐためには適切な対策が必要です。以下では、電話による特殊詐欺の現状について詳しく解説します。

特殊詐欺の7割以上が電話で連絡している

特殊詐欺の大部分は、電話を通じて被害者に接触する手口が利用されています。警察庁のデータによると、特殊詐欺の連絡手段として電話が利用される割合は77.5%に上り、そのうち固定電話が90.5%を占めています。

また、同資料による2023年1月〜12月の統計では、特殊詐欺が疑われる電話の件数が131,868件にも達していることがわかっており、その規模の大きさがうかがえます。

出典:警察庁「令和5年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(確定値版)」

女性が被害に遭う件数は男性の約2.5倍

特殊詐欺の被害者は女性の割合が高い傾向があります。前述の資料によると、2023年における高齢者の被害認知件数は男性が4,234件に対し、女性は10,661件で男性の約2.5倍です。なお、被害額は1件あたり約243.8万円に上り、多くの方が大きな損害を受けています。

また、警視庁の「令和6年上半期における特殊詐欺の状況について」でも同様に、2024年上半期(令和6年上半期)における特殊詐欺の被害者全体の64.9%が女性であり、そのうち70代と80代の女性が多く狙われていることがわかっています。具体的な数値は70代の女性が25.2%、80代の女性が45%を占めており、特殊詐欺の標的になりやすいことが明らかです。

一方、男女差はほとんど見られませんが、20代や30代などの若年層も被害に遭うことがあります。このことから、すべての年代が特殊詐欺に対する理解を深める必要があるといえるでしょう。

出典:警視庁「令和6年上半期における特殊詐欺の状況について」

電話を使った特殊詐欺の主な手口

電話を使った特殊詐欺の主な手口

特殊詐欺の手口は年々巧妙化しており、電話を利用した詐欺が中心となっています。以下に、主な手口とその特徴を解説します。

還付金詐欺

還付金詐欺とは、犯人が自治体や税務署、年金事務所の職員を装い、「医療費や保険料の過払い金がある」などの内容で被害者に電話をかける詐欺です。

還付金詐欺の手口では、犯人が被害者をATMに誘導し、携帯電話で操作を指示します。被害者が操作した結果、実際には犯人の口座にお金が振り込まれる仕組みです。

たとえば、「払い戻しには期限がある」のような言葉で被害者を焦らせ、すぐにATMへ行くように指示します。還付金詐欺を防ぐためには、ATMで携帯電話を使いながらの操作をしないことを徹底することが重要です。

オレオレ詐欺

オレオレ詐欺とは、犯人が息子や孫を装い、仕事上のトラブルなどを理由に金銭を要求する詐欺です。

オレオレ詐欺の手口では、最初に「風邪をひいて声が変わった」「携帯をなくして電話番号が変わった」などと説明し、声や電話番号が違うことへの疑念を払拭します。その後、被害者に新しい番号を登録させ、後日「会社のお金を使い込んだ」「至急お金が必要」といった理由で金銭を要求します。

また、犯人の仲間が警察官や同僚を装い、電話で状況を裏付けることで被害者を信じ込ませるケースも少なくありません。金銭を要求された場合は、電話を一度切り、家族や以前使用していた番号に連絡して事実を確認しましょう。

キャッシュカードを狙った詐欺

キャッシュカードを狙った詐欺とは、犯人が警察官や銀行員を装い、「キャッシュカードが不正利用されている」などと電話をかける詐欺です。

キャッシュカードを狙った詐欺の手口では、犯人が「キャッシュカードを確認する」などの理由で被害者宅を訪れます。そして、「暗証番号を紙に書いてキャッシュカードと一緒に封筒に入れてください」と指示し、その隙に事前に用意していた別のカードとすり替える、またはカードの取り替えを口実に持ち去るのです。その後、被害者の口座から現金が引き出されます。

警察官や銀行員が暗証番号を尋ねたり、キャッシュカードを預かったりすることはありません。電話や訪問でキャッシュカードに関する話があった場合は、すぐに家族や警察に相談してください。

架空料金請求詐欺

架空料金請求詐欺とは、犯人が「未払いの通信料金がある」などの内容を記載したSMSを送り、被害者に電話をかけさせる詐欺です。

電話をかけると、「支払わなければ裁判になる」「すぐに払えば大半が返金される」などと説明され、電子マネーやプリペイドカードでの支払いを指示されます。たとえば、「有料動画サイトの未納料金が発生している」という名目で支払いを求められるケースが挙げられます。

事業者が未納料金の支払いを電子マネーで求めることはないため、不審なSMSや電話番号には応じないようにしましょう。

国際ワン切り詐欺

国際ワン切り詐欺とは、犯人が国際電話番号を使用してターゲットに1回だけ電話を鳴らして着信履歴だけを残し、折り返し電話をかけさせる詐欺です。被害者が電話をかけ直すと、自動音声で通話時間を引き延ばされ、高額な通話料金が発生します。その通話料の一部が犯罪グループにわたる仕組みです。

国際ワン切り詐欺を防ぐには、身に覚えのない国際電話の着信には出ない、または折り返し電話をかけないことが重要です。また、迷惑電話を自動でブロックするサービスの活用も効果的です。

ワン切り詐欺とは?具体的な手口や詐欺に遭わないための対策を解説

電話による特殊詐欺の被害を防ぐ方法

特殊詐欺の被害を防ぐためには、電話への対応を見直し、適切な対策を講じることが重要です。以下で具体的な防止策を解説します。

見覚えのない電話には出ない、折り返さない

特殊詐欺を防ぐ基本的な対策として、身に覚えのない電話には出ないことが挙げられます。不審な電話番号から着信があった際は、応答せずにコールが切れるのを待つのが賢明です。

また、着信履歴が残っていても、身に覚えのない番号には折り返さないことが重要です。不審な番号が気になる場合は、電話が切れてからWebなどで番号を調べ、詐欺のリスクがないか確認しましょう。

加えて留守番電話機能を設定しておくと、不審な電話に直接対応するリスクを避けられるのでおすすめです。留守番電話に残された内容を確認し、身に覚えのある電話の場合のみ折り返しするという柔軟な対応が可能になります。

着信拒否の設定をする

特殊詐欺の被害を防ぐもう一つの方法は、着信拒否設定の活用です。特に特定の番号から繰り返し電話がかかってくる場合には、通信キャリアが提供する着信拒否サービスの活用が有効です。

ここからは、着信拒否の設定方法について詳しく見ていきましょう。

キャリア側での着信拒否設定を活用する

着信拒否設定は、各通信キャリアが提供するサービス内で設定できます。特定の番号から繰り返し電話がかかってくる場合には、通信キャリアが提供する着信拒否サービスを活用しましょう。

ドコモの「迷惑電話ストップサービス」は、最大30件の番号を着信拒否リストに登録できるほか、非通知番号からの着信もブロック可能です。

Android端末の場合

  1. ホーム画面から通話アプリを選択する
  2. メニューキー(︙)をタップし、「設定」を選択する
  3. 着信拒否に関する項目をタップし、着信拒否を設定する

iOS端末の場合

iOS端末で設定する場合、以下の手順を行います。

  1. ホーム画面から「電話」アプリを開く
  2. 「よく使う項目」「履歴」または「留守番電話」を選択する
  3. 着信拒否したい電話番号の「i」のボタンをタップする
  4. 下へスクロールして「発信者を着信拒否」を選択する

なお、ご利用中の機種・メーカーによって設定方法は異なります。詳しい設定方法は各機種の公式Webサイトをご参考ください。

セキュリティ対策サービスを活用する

特殊詐欺のリスクを軽減するためには、セキュリティ対策サービスの活用も有効です。特殊詐欺の電話は固定電話のケースが多いものの、スマホにかかってくることも珍しくありません。

ドコモが提供する「あんしんセキュリティ スタンダードプラン」の「迷惑電話対策」機能を利用すれば、迷惑電話や詐欺電話の可能性が高い番号からの発着信を事前に判別し、警告を表示できます。詐欺の疑いがある電話番号に対して警戒心を持つことができ、被害を未然に防ぐことが可能です。

さらに、危険性が高い発着信の履歴も確認できるため、過去にどのような不審な電話があったのかを把握できます。セキュリティ対策サービスを積極的に活用し、あんしんして電話を利用できる環境を整えましょう。

まとめ

電話を利用した特殊詐欺は、固定電話やスマホを通じて被害者に接触し、個人情報や金銭を騙し取る犯罪です。

還付金詐欺やオレオレ詐欺、架空料金請求詐欺など、さまざまな手口が報告されていますが、これらの被害を防ぐためには、日常的に対策を講じる必要があります。具体的には不審な電話には出ない、折り返し電話をしない、着信拒否設定を活用するなど、基本的な対応を心がけてください。また、本記事で紹介したようなセキュリティ対策サービスの活用も効果的です。

特殊詐欺への警戒心を持ち、適切な対策を実践し、安全であんしんな通信環境を整えましょう。

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