迷惑電話の対処方法と対策方法を紹介|電話に出てしまった場合の注意点も解説
近年、「迷惑電話」の問題が深刻化しており、なかには無言電話や自動音声での勧誘にとどまらず、巧妙な詐欺に発展する深刻なケースもあります。
この記事では、迷惑電話への効果的な対策方法と、誤って応答してしまった場合の適切な対応について解説していきます。迷惑電話に悩まされている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
迷惑電話とは?
迷惑電話とは、簡単にいうと「不快感を覚える電話」を指します。具体的には、以下のような電話が迷惑電話に分類されます。
- 勧誘(セールス)電話
- 無言電話、いたずら電話
- 非通知番号や国外からの電話
- 振り込め詐欺電話
「ワン切り」などのいたずら電話も、迷惑電話の一種です。深刻なケースでは、個人情報を聞き出して悪用したり、身元を特定して金銭を要求したりするといった犯罪に巻き込まれる可能性があります。
実際に迷惑電話の認知件数は毎年数万件以上も報告されており、手口が巧妙になっているため、知らぬ間に騙されてしまうというケースが多くなっています。その一例を見ていきましょう。
不審な電話の例
近年では、公共機関や企業などの電話確認などを装い、個人情報を聞き出す手口が増えています。以下で不審な電話の一例を紹介します。
不審な電話の例 | リスク |
---|---|
消防署を名乗る電話があり、災害時にすぐ対応できるなどの理由で「1人暮らしか?」と聞かれたので「はい」と応えてしまった。 | 居住状況を伝えてしまったことにより、侵入や詐欺被害などの犯罪に悪用される可能性がある。 |
警察官を名乗る者から「犯人を逮捕したら名簿にあなたの名前が載っていた」という理由で金融機関やクレジットカードの情報を求められた。 | クレジットカード情報を伝えてしまったことにより、不正利用される可能性がある。 |
また、昨今では、自動音声を用いた迷惑電話も増えています。たとえば、ドコモを名乗る自動音声を利用して「携帯電話の利用料金が未納であるためまもなく利用停止します」と未納料金の請求を迫ることで不安を煽り、さらに「ご不明な点があれば●番を押してください」などと続けて個人情報を入力させ、クレジットカード番号や銀行口座を聞き出す手口などが見られるようになりました。
迷惑電話の目的とは
迷惑電話の目的にはいたずらや嫌がらせなどもありますが、近年では犯罪グループによる詐欺や強盗目的として使われるケースが増えています。
先ほどの例で解説したように、侵入目的で居住状況を確認したり、自動音声による企業などのなりすまし電話によって金銭をだまし取ったりするといった事例があり、迷惑電話の手口も巧妙化しています。
こうした迷惑電話がかかってくる原因は、SNSからの情報漏洩や、詐欺グループによる無作為な番号の選定などが考えられるでしょう。
スマホに迷惑電話がかかってきてしまった際の対処方法
非通知番号や知らない電話番号などからかかってきた場合は、迷惑電話であることが疑われます。以下では、迷惑電話がかかってきた際の対処方法について解説します。
非通知や国際電話などの場合は出ない
見ず知らずの電話には基本的に出ないことが対処法の一つです。知らない電話番号はもちろん、非通知からの着信は犯罪に使われる可能性が高いため、基本的に出ないようにしましょう。
また、昨今では海外からの詐欺電話も多数報告されているため、海外からの電話にも注意が必要です。海外からの着信は電話番号の頭に「+(プラス)」が使われており、たとえばアメリカは「+1」、イギリスは「+44」、中国は「+86」が頭に表示されます。見覚えがなければ基本的には取らず、友人や家族で海外在住の方がいる場合も、いきなり取らずに本人に確認のメールなどを行った上で通話に移りましょう。
安易に出ず、電話番号を調べる
知らない電話番号から着信があった場合は、1回目の着信では出ずに、インターネットで電話番号を調べてみましょう。企業・公的機関の電話番号であった場合は発信元のサイトが上位に表示されます。
また、セキュリティアプリのなかには迷惑電話かどうか番号検索できる機能を備えたものもあります。ドコモのあんしんセキュリティには「迷惑電話対策」の機能があり、アプリ上で番号を入力すると、詐欺などの危険な番号やしつこいセールスなどの迷惑電話の番号かどうかを調べることができます。
電話番号の口コミや検索サイトを活用するのもおすすめです。検索サイトで着信があった番号を検索すると、電話番号に対する口コミが表示されます。口コミは、実際にその番号から着信があった人や、着信に応じて詐欺に遭ってしまった人などが記載しているため、参考にしてみるとよいでしょう。
加えて、市外局番から発信地域を推測することも可能です。電話番号の頭に03(東京)や06(大阪府)などの市外局番を確認することで、発信元のエリアから相手を推測しやすくなるでしょう。
番号の冒頭が080、090などの場合は、メールやSMSに相手の番号の記載があるか確認してみてください。迷惑電話を含めて知らない番号からかかってきた電話は、安易に出ずに調べるようにしましょう。
電話番号が不正に流出していないか確認する
「身に覚えのない複数の番号から何度も電話がかかってくる」という場合は、電話番号が不正に流出している可能性があります。この状態を放置すればさらなる迷惑電話でストレスを感じるだけでなく、犯罪に巻き込まれてしまう危険性もあります。この場合は自力で確認するのは難しいですが、セキュリティアプリのなかには電話番号が不正に流出した際、情報流出を検知し通知してくれるアプリがあります。
ドコモの「あんしんセキュリティ(プライバシー)」は、自分の電話番号が不正流出した場合に検知してユーザーに教えてくれます。さらに、その後の対処方法までアドバイスしてくれるので、万が一の場合にもあんしんです。
迷惑電話を防ぐための対策方法
迷惑電話は事前に対策することができます。ここからは、迷惑電話を防ぐための対策方法について解説します。
番号通知サービスを利用する
迷惑電話を防ぐ簡単な対策方法は、番号通知サービスを活用することです。番号通知サービスとは、非通知で電話をかけてきた相手に対して、電話番号の通知を依頼するガイダンスを流して自動的に通話を終了するサービスです。利用すれば非通知の電話には出る必要がなく、相手の電話番号も確認できます。
たとえば、ドコモでは「番号通知お願いサービス」を提供しており、申込みをすれば非通知の相手に対しては強制的にシャットアウトすることが可能です。無料かつ簡単にできる迷惑電話対策になるため、非通知の迷惑電話にお悩みの方におすすめです。
セキュリティ対策サービスを活用する
セキュリティ対策サービスの活用も有効な対策方法のひとつです。たとえばセキュリティアプリを入れておくと、迷惑電話がかかってきた際に警告が表示されるので、電話に出るべきかどうか判別しやすくなります。
ドコモの「あんしんセキュリティ」は、しつこいセールス電話や、詐欺・架空請求などの危険な電話からの発着信を自動で判別し、警告画面を表示してくれます。また、飲食店や企業からの電話番号であれば店名や企業名が表示されるため、あんしんして出られるといったメリットもあります。
着信拒否設定を活用する
同じ電話番号から何度も迷惑電話がかかってくる場合は、着信拒否設定を活用するとよいでしょう。着信拒否設定とは、登録した電話番号や非通知番号からの着信をブロックする機能です。着信拒否設定に登録した番号からの電話は、着信音がならずに自動的に通話が切れるため、不審な電話に惑わされずに済みます。
着信拒否設定のサービスや機能の内容などは、使用しているスマホの機種や、契約しているキャリアによって異なるため、どのようなサービス・機能であるのかを確認しましょう。また着信拒否設定を利用する料金や、発信者側に流れるアナウンスの内容などもキャリアによって異なります。
キャリア側での着信拒否設定を活用する
着信拒否設定は契約しているキャリア(通信回線)ごとに対応しているケースもあり、たとえばドコモでは「迷惑電話ストップサービス」というサービスを提供しています。「迷惑電話ストップサービス」は、事前に登録した最大30件までの番号からの着信を拒否できるほか、非通知や圏外にいるときの着信拒否も可能です。
発信者に対しては「おかけになった電話番号への通話は、おつなぎできません。」というガイダンスを流し、自動で着信が切れます。
また、着信から呼び出し音がなるまでの時間を調節したり、着信時間が短い場合は履歴に表示しないようにしたりすることで、海外からのワン切りにも対応可能です。「迷惑電話ストップサービス」は申込み・月額料金も無料で、手軽に使える点も魅力といえます。
Android端末の場合
Android端末*1で着信拒否設定をする手順は、以下のとおりです。
- ホーム画面から通話アプリを選択
- メニューキー(︙)をタップし、「設定」を選択
- 着信拒否に関する項目をタップし、着信拒否を設定する
非通知拒否設定の場合は、以下のとおりです。
- 通話アプリのメニューキー(︙)をタップし、「設定」を選択
- 「ブロック中の電話番号」を選択
- 「不明」をONにする
ほかにも「通話履歴」や「ブロック中の電話番号」の項目から着信拒否の設定が可能な機種もあります。
*1 ご利用されている機種によって設定方法が異なるため、詳細はご使用端末のメーカーWebサイトをご確認ください。
iOS端末の場合
AiOS端末*2で着信拒否設定の手順は、以下のとおりです。
- ホーム画面から「電話」アプリを開く
- 「よく使う項目」「履歴」または「留守番電話」を選択
- 着信拒否したい電話番号の「i」のボタンをタップ
- 下にスクロールして「この発信者を着信拒否」をタップ
非通知拒否設定の場合は、以下のとおりです。
- ホーム画面から「設定」を開く
- 設定から「電話」を開く
- 「不明な発信者を消音」を選択
*2 ご利用されている機種によって設定方法が異なるため、詳細はご使用端末のメーカーWebサイトをご確認ください。
迷惑電話に出てしまったときの注意点
迷惑電話には基本的に出ないことが肝心ではあるものの、事前に判断できず電話に出てしまうこともあるでしょう。ここでは、迷惑電話に出てしまった場合の注意点を解説します。
個人情報は話さない
電話で個人情報を求められた場合、安易に情報を提供しないことが重要です。特に、公的機関や金融機関、クレジットカード会社を名乗る電話には、慎重な対応が求められます。怪しいと感じた場合は「確認します」と言って電話を切り、クレジットカードの明細や公式Webサイトに記載されている正しい連絡先に、自分から電話をかけ直してみましょう。
相手を刺激しない
迷惑電話に対して腹立たしく感じ、相手に怒りたくなったり、厳しい言葉をかけたくなったりするかもしれません。しかし、攻撃的な態度や挑発的な態度は相手を刺激してしまい危険性が増すこともあるため、控えておいた方が賢明です。
詐欺や勧誘などの迷惑電話には冷静に対応することが重要です。相手の感情を逆なでしてしまうとさらにしつこく電話がかかってくるなど、事態をエスカレートさせる可能性があるので注意しましょう。
1人で抱え込まない
悪質な迷惑電話の場合、「警察には連絡するな」「お前の場所は分かっているぞ」と脅し文句を伝えて、個人情報を聞き取ろうとするケースもあります。また、無視をしても何度もかかってくるケースもあるでしょう。このような場合においては、警察や国民生活センターに相談することをおすすめします。
特に迷惑電話はいつかかってくるかも分からず、すぐに電話を切ったとしても「またかかってこないだろうか」「何か知られていないだろうか」という不安がよぎるものです。そのような場合は1人で抱え込まず、警察などの窓口に相談したほうがよいでしょう。
まとめ
昨今ではスマホへの迷惑電話が数多く報告されており、その手法も年々巧妙になりつつあります。迷惑電話は基本的に無視が望ましいものの、「怪しい電話には出ない」という対応だけでは不十分なケースも多いです。そのため、スマホの設定やキャリア側による着信拒否設定などを活用し、効果的な対策を講じることが大切です。
また、より手軽にできる対策方法としてはセキュリティアプリの導入もおすすめです。怪しい番号からかかってきた場合に警告を表示してくれるため、あんしんして電話に出ることができます。迷惑電話でお悩みの方や、これから対策したいと考えている方は、ぜひ活用してください。