クレジットカードの不正利用はなぜ多い?主な原因や対策を紹介

クレジットカードの不正利用は、年々増加傾向にあります。フィッシング詐欺やウイルス感染、スキミングなどの手口が巧妙化し、被害額は数年で急増しています。
本記事ではクレジットカードの不正利用の増加を示すデータとともに、不正利用の原因や確認方法、不正利用を防ぐ方法についてわかりやすく解説します。
目次
クレジットカードの不正利用は年々増加

引用:一般社団法人 日本クレジット協会「クレジットカード不正利用5つの対策」
2023年のクレジットカード不正利用被害額は、過去最多の540.9億円に達しました。特に2021年以降、被害額の増加ペースが加速しており、深刻な状況が続いています。
手口を見てみると、インターネット取引における「番号盗用」が主流です。2021年には95%を超えていましたが、わずかに減少しつつも2023年は93.3%と高い水準を維持しています。
このように、クレジットカードの不正利用は急速に拡大しており、特にインターネット取引における対策が急務となっています。
クレジットカードが不正利用される原因
クレジットカードが不正利用される主な原因は、クレジットカードの所有者と事業者側の情報漏洩が考えられます。ここでは、クレジットカードの所有者が原因となる不正利用について解説します。
フィッシング詐欺
フィッシング詐欺は、実在する企業やサービスを装って偽サイトに遷移させ、個人情報を入力させる詐欺の手口です。悪意のある第三者は、クレジットカード会社をはじめとした金融機関や実在のサービスになりすましてメールやSMSを送信し、本文内のURLにアクセスするよう誘導します。
偽サイトと気づかず、サイト上でクレジットカード番号や暗証番号、個人情報などを入力してしまうことで、クレジットカードを不正利用されるリスクが高まります。フィッシング詐欺の詳しい事例については、こちらの記事でも解説しているのでぜひご覧ください。
ウイルス感染
ここでのウイルスとは悪意あるサイトの閲覧、メールの添付ファイルなどを介してスマホなどの端末に侵入し、悪影響をおよぼすプログラムを指します。ウイルスに感染すると端末内の情報やクレジットカード情報が流出し、不正利用の原因となる可能性がある点に注意が必要です。
ウイルスの感染経路には、上記のほかにも不審なメールに記載されたURLへのアクセスやファイル共有ソフトの使用などが挙げられます。
スキミング
スキミングは「スキマー」という機器を使用し、クレジットカードの情報を盗み取り、偽造カードを作成して不正利用する手口です。ATMのカード挿入口や加盟店の決済端末に機器を仕掛けるなど、ユーザーが気づきにくい方法で個人情報が盗まれることがあります。
タッチ決済ができる非接触型のクレジットカードの場合、カードリーダーへの差し込みはありません。しかし、電波を通じて情報を盗む非接触型スキマーも登場しており、油断は禁物です。スキマー自体はスマホ程度であり、悪意ある第三者が隠し持っていてもユーザーが気づきにくいのが特徴です。
近づくだけで情報が入手できるため、満員電車やバス、エレベーターなど人が密集している空間は、リスクが高まります。
クレジットカードが不正利用されているかどうか確かめる方法

クレジットカードの不正利用被害を最小限に抑えるためには、早期発見が重要です。日常的に利用明細を確認し、不審な利用履歴がないかを確認しておきましょう。
クレジットカードの利用明細を定期的に確認する
まずはクレジットカードの利用明細を定期的に確認することが大切です。具体的には、請求額だけでなく日付や利用店名、支払い方法、個別の金額など詳細を確認します。
ハガキや書面で利用明細が届く場合は、届いたらすぐに開封しましょう。Webやアプリの利用明細の場合は、定期的に確認しておくとよりあんしんです。クレジットカード会社によっては、利用のタイミングで通知メールが届く設定ができるため、積極的に使用しましょう。
明細の内容と実際の利用が合っているか確認する
クレジットカード明細を確認して、実際に利用した店舗と合致しているかどうか確認します。ただし、明細に記載された店舗名や企業名と、実際に利用した店舗名・企業名が異なる場合があります。カフェ利用であっても明細には運営する企業名が記載されているケースなども想定されるため、明細に記載されている企業名を検索するなどの確認も必要です。
また、新幹線のオンライン予約や宿泊サイトなど利用するサービスによっては、クレジットカードの決済日と実際のサービス利用日が異なる場合があります。過去の行動やスケジュール、自動送信メールを照らし合わせて確認することが大切です。
明細の日付や記載内容をチェックしても心当たりがない場合、不正利用の可能性があります。早急にクレジットカード会社に連絡し、確認しましょう。
クレジットカードの不正利用を防ぐ方法
クレジットカードの不正利用を防ぐためには、さまざまな対策を講じ、リスクを最小限に抑えることが重要です。具体的な被害防止方法について解説します。
セキュリティ対策サービスを活用する
目視による不正利用対策には、限界があることから、セキュリティ対策サービスを補助的に利用する方法を推奨します。
たとえば「あんしんセキュリティ スタンダードプラン」の「危険サイト対策」機能は、ユーザーが閲覧しようとしているサイトがクレジットカード情報の詐取しようとするフィッシングサイトのような危険なサイトだった場合、警告を表示してくれます。
また、「ダークウェブモニタリング」機能は、ダークウェブと呼ばれる通常ではアクセスできない闇サイトを監視し、クレジットカード番号などの大切な情報が流出した可能性を検知した場合に通知してくれます。情報流出から迅速な対応が可能となり、被害を最小限に抑えることが可能です。
不審なメールに記載のURLにアクセスしない
公式のアドレスに似せた不自然な文字列のメールアドレス(小文字の「l(エル)」を「I(アイ)」や「1」に変えている、最後のアルファベットが1つ多いなど)や、メールの本文に不自然な日本語が使われているなど、開封後に不審な点を見つけた場合は、速やかなメール削除が賢明です。メールに記載されているURLへのアクセス、添付ファイルの開封はしないように注意しましょう。
まとめ
クレジットカードの不正利用は年々増加傾向にあり、決して他人事ではありません。フィッシング詐欺やスキミングの手口も巧妙化しており、非接触型スキマーなど新しい手口が誕生していることも事実です。
不正利用の被害を防ぐには、不審なメールに記載されたURLにアクセスしないことやセキュリティ対策サービスの活用が効果的です。また、定期的にクレジットカードの利用明細を確認し、心当たりがない利用履歴を発見した場合は、早急にクレジットカード会社に連絡しましょう。