プラスから始まる電話とは?かかってくる理由や対策法を紹介

プラスから始まる電話番号から着信があった場合、まずは安全かどうかを確認しましょう。プラスは国際電話を示す記号ですが、正当な連絡だけでなく、詐欺に悪用されるケースもあります。安易に応じると、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があるため注意が必要です。
大切なのは、国際電話について正しく理解し、適切な対策をとることです。本記事ではプラスから始まる電話番号とはなにかを説明し、かかってくる理由や騙されないための対策、もし電話に出てしまったときの対処法を詳しく解説します。
目次
プラスから始まる電話番号とは?

プラスがついた電話番号は、国際電話識別番号の「+」と国番号を組み合わせた番号です。国際電話識別番号とは、国際電話をかける際に入力する記号(プラス記号)を指します。一方、国番号は国際電気通信連合(ITU)によって各国に割り当てられた1〜3桁の番号です。
たとえば、日本の国番号は「81」です。つまり、「+81」と表示される電話番号は、海外にいる相手から日本の電話に国際電話がかかってきた場合や、自身が海外にいる際に日本から国際電話を受けた場合などに表示されます。
主な国番号
国番号は国によって異なります。主な国番号は次のとおりです。
- +1:アメリカ合衆国、カナダ
- +33:フランス
- +39:イタリア
- +44:イギリス
- +49:ドイツ
- +61:オーストラリア
- +81:日本
- +82:韓国
- +86:中国
- +91:インド
プラスから始まる電話がかかってくる理由

プラスから始まる電話がかかってきた場合、まずは電話番号が「安全なものかどうか」を確認することが大切です。海外にいる友人や知人、利用している海外のサービスからかかってきた電話であれば問題ありません。注意が必要なのは、架空料金請求詐欺や国際ワン切り詐欺です。
ここで紹介する「プラスから始まる電話がかかってくる理由」を参考に、かかってきた電話が安全なものかどうかを考えましょう。
国際電話の着信
電話番号が海外に住む友人や知人の場合は安全です。海外から電話があると、電話番号にプラスが表示されます。プラス以降の番号を確認し、「知っている電話番号かどうか」を判断しましょう。また、海外の企業やサービスを利用している場合も、サポートセンターや担当者からの連絡が国際電話としてかかってくるケースが想定されるでしょう。
上記のような身に覚えのある国際電話であれば応答しても問題ありませんが、もしも心当たりのない国際電話番号からの着信であれば注意が必要です。特に、知らない番号から何度も着信があったり、特定の国番号から頻繁にかかってきたりする場合は、後述する詐欺の可能性があります。
架空料金請求詐欺
近年、詐欺グループが国際電話番号を悪用し、架空料金請求詐欺を行うケースが増えています。手口の一例として、「未納料金がある」といった内容の連絡を送り、不安を煽った上で個人情報を聞き出したり、支払いを要求したりするというものです。
最近では海外の電話番号を取得できるアプリが登場し、国際電話詐欺に悪用されるケースが増えています。
国際ワン切り詐欺
国際ワン切り詐欺とは、国際電話を使い、1回だけ呼び出し音を鳴らしてすぐに切る手口です。着信履歴を残し、相手に折り返し電話をかけさせることが目的です。
たとえば、「+」で始まる海外の電話番号から突然着信があった場合、国際ワン切り詐欺の可能性があります。国際ワン切り詐欺については、以下の記事でも詳しく解説しているので参考にしてください。
プラスから始まる電話に騙されないための対策法
先述した不審な国際電話による詐欺被害を防ぐためには、事前に対策を講じることが重要です。ここでは、プラスから始まる電話に騙されないための具体的な対策法を紹介します。
見覚えのない電話には出ない
海外からの電話に心当たりがなければ、基本的に国際電話には出ないようにしましょう。不審な電話の多くは、詐欺グループが無作為に発信している可能性があるため、注意が必要です。
ただし、海外の知人や利用している海外サービスからの連絡の可能性も考えられます。心当たりがある場合は、一度電話を切った後、メールフォルダで関連する番号がないか検索したり、Webサイトで番号の情報を確認したりするとよいでしょう。
登録していない電話番号からの着信を拒否する
登録していない電話番号からの着信を拒否することで、不審な電話に出てしまうリスクを減らせます。AndroidとiPhoneでは、以下の方法で設定が可能です。
【Androidで知らない番号からの着信を拒否する方法】
- 電話アプリを開く
- 右上にあるアイコン「︙」をタップし、「設定」を選択
- 「ブロック中の電話番号」を選択
- 「不明な発信者」のスライドをタップ
iPhoneでは、着信を完全に拒否する設定はできませんが、代替策として留守番電話へ転送する機能があります。
【iPhoneで知らない番号からの着信を拒否する方法】
- 「設定」アプリから「電話」を選択
- 「不明な発信者を消音」を選択し、右端のスライドをタップ
このように設定すると、不明な番号からの電話はそのまま留守番電話になります。なお、ご利用の機種やOSによって設定方法は異なります。詳しい設定方法は、利用している機種の公式Webサイトをご確認ください。
国際電話の利用停止を申込む
普段から国際電話を使用することがない場合、国際電話の発信を制限することも有効な対策です。スマホの設定で国際電話の発信を無効にすることで、誤って詐欺電話に折り返すリスクを防げます。
たとえば、ドコモでは「WORLD CALL」の解約手続きを行うことで、スマホから国際電話への発信ができなくなります。手続きの手順は、以下のとおりです。
- 「My docomo」にアクセス
- 「お手続き」をタップ
- 「海外」をタップ
- 「海外へかける(WORLD CALL)」をタップ
- 「解約」をタップ
セキュリティ対策サービスを活用する
国際電話を悪用した詐欺では、電話に出る前に不審かどうかを判断できることが重要です。そこでおすすめなのがセキュリティ対策サービスです。
たとえば、ドコモの「あんしんセキュリティ スタンダードプラン」には「迷惑電話対策」機能が搭載されています。「迷惑電話対策」機能は海外からの怪しい電話だけでなく、詐欺・架空請求などの可能性が高い電話番号を自動で判別し、警告を表示します。
着信時に店舗名や企業名を自動で表示するため、応答してもよい電話なのかそうでないのか事前に判断することが可能です。
プラスから始まる電話に出てしまったら?
不審な国際電話に誤って出てしまった場合、適切な対応を取ることが大切です。ここでは、プラスから始まる電話に出てしまった際の対処法を紹介します。
速やかに通話を終了する
不審な国際電話に出てしまった場合は、気づいた段階ですぐに電話を切りましょう。相手が日本語を話し、「重要な連絡」「未納料金がある」などと伝えてきた場合でも、信用せずに通話を終了してください。
詐欺グループは、不安を煽る言葉や緊急性を強調する話し方で対応を急がせようとする傾向があります。電話を切らせないように話を続ける場合もありますが、無理に会話を続ける必要はありません。会話を続けるなかで、個人情報を聞き出されてしまうリスクなどが高まります。
不審な電話だと感じたら、すぐに通話を終了し、折り返し電話をしないようにしましょう。
【被害に遭ってしまったら】警察などに相談する
不審な国際電話に応じてしまい、金銭を振り込んでしまったり、個人情報を伝えてしまったりした場合は、被害を最小限に抑えるための対応が必要です。速やかに次の窓口に相談しましょう。
また、不審な国際電話で銀行口座やクレジットカード情報を伝えてしまった場合は、すぐに金融機関やクレジットカード会社に連絡し、利用停止の手続きを依頼してください。被害が広がるのを防ぐために、早急な対応が求められます。
まとめ
プラスから始まる電話番号は、国際電話識別番号と国番号を組み合わせたものです。海外の知人や企業からの連絡である可能性もありますが、近年では詐欺や迷惑電話に悪用されるケースも増えています。
不審な国際電話に対応しないためには、見覚えのない番号には出ない、登録していない番号の着信を拒否する、セキュリティ対策サービスを活用するなどが有効です。また、普段から国際電話を使用しない場合は、通信キャリアの設定で発信を制限することも対策の一つです。
もし誤って電話に出てしまった場合は、すぐに通話を終了し、会話を続けないようにしましょう。万が一、金銭を支払ってしまったり、個人情報を伝えてしまったりした場合は、速やかに警察や消費者ホットラインなどの相談窓口へ連絡し、適切な対応を取ることが大切です。