架空請求の電話とは?具体的な手口と未然に防ぐ方法を紹介

近年、社会問題の一つとして注目されているのが架空請求による詐欺被害です。国民生活センターによると、2022年度の被害件数は2021年度に比べて減少したものの、2023年度からは再び増加傾向にあります。
架空請求の手口はどんどん巧妙になっているため、被害に遭わないためにはしっかりと知識を深めておくことが大切です。本記事では、架空請求の電話の具体的な手口と被害のリスクを減らすための対策法を紹介します。
目次
架空請求の電話とは?具体的な手口の流れ

架空請求の電話とは、公的機関や大手企業・サービスなどを騙り、発生していない架空の利用料金などの請求を行う詐欺電話のことです。
被害を減らすには、実際にどのような手口で架空請求の電話がかかってくるのかを理解することが求められます。ここからは、具体的な手口の流れを解説します。
1.国際電話番号などの見覚えのない番号からかかってくる
一般的な架空請求の電話は、見覚えのない番号からかかってきます。たとえば、国際電話番号や「050」などからはじまる番号から、「未納料金がある」などという電話がかかってくるのが多くの手口です。
多く悪用されている電話番号には、「+1」(アメリカ・カナダ)「+44」(イギリス)「+800、+844」(※国際フリーフォン)などの国際電話や、「050」(IP電話)があります。
これらの電話番号に出ると自動音声ガイダンスが流れたり、電話に出なかった場合には留守番電話にメッセージを残すなどの方法で着信者に折り返しを求めたりするケースもあります。
※国際フリーフォンは、電話を受けた側が料金を負担する着信課金式の電話番号
2.未払いの料金があると説明される
架空請求の電話からの着信があった場合に折り返しの電話をかけると、利用料金が未納であると説明されます。
着信者が心当たりがないと伝えても、「未納は着信相手側の落ち度である」と一方的に説明されてしまうのが特徴です。たとえば、「スマホやパソコンにウイルスが仕込まれており、勝手に登録されてしまうことがある」「サイトに誤登録した可能性がある」などの理由を説明されて、強引に納得させられてしまいます。
なかには、留守番電話やSMSで「指定する番号に電話をかけるように」と指定してくるケースもあるので、注意が必要です。
3.「裁判」や「法的措置」を取ると脅される
未払い料金についての説明に続き、未納料金を支払わないと「裁判」や「法的措置」を行うと脅し、着信者を不安にさせるのも架空請求電話の特徴です。
さらに、裁判や法的措置を免れるための「救済制度」があると騙り、救済制度を利用するために必要な情報であるとして着信者の住所や氏名などの個人情報を聞き出そうとします。
4.電子マネーなどの購入を求めてくる
未納料金の支払い方法として、電子マネー(ギフトカードなど)を購入し、ID番号を読み上げるよう指示を受けるケースもあります。
多くの場合では、着信者に電話を切らずにコンビニで電子マネーを購入するよう求めてきます。また、「救済措置を適用するためにも他人に話さないように」などと守秘義務を強調し、警察や家族などの第三者への口外を防ぐのも手口の一つです。
電子マネーなどの購入にあたっては、購入店舗名や店員への返答内容まで具体的に示し、指示どおりに行動させようとします。
5.さらなる支払いを要求される
架空請求電話の恐ろしいところは、架空の未納料金を支払ったとしても、さらなる支払いを要求されるケースがあることです。一度支払いに応じた着信者に対して、別の団体名を名乗った上で再度、架空の未納料金や裁判を理由に支払いを要求してきます。
また、「支払えば返金される」などと説明し、再び電子マネーを購入させ、ID番号を読み上げさせる手口も横行しています。同じ手口で複数回にわたり、支払いを繰り返させるケースもあるので、以下に説明するような被害を減らす方法を取り入れることが大切です。
架空請求電話による被害を減らす方法

ここからは、架空請求電話による被害を減らす3つの方法を紹介します。
見覚えのない電話には出ない・折り返さない
架空請求の電話による被害を減らすには、見覚えのない番号からかかってきた電話には、基本的に出ない、折り返さないようにするのが賢明です。
また、不審な電話番号からの着信があった場合、応答せずに切れた後に電話番号をインターネットで検索するのも一つの方法です。検索した結果、身に覚えのある機関や企業、サービスなどの番号でなければ、基本的には折り返しをしないようにしましょう。
電話がかかってきた会社について調べてみる
架空請求の電話に出てしまったとしても、電話口の言葉を鵜呑みにするのではなく、インターネットで会社名や電話番号を検索することが大切です。大手企業や機関などの公式サイトを調べれば、架空請求の電話に対する注意喚起の情報が見つかることもあります。
通信料金に関する請求電話がかかってきた場合は、お使いのキャリアに直接確認してみるのもおすすめです。たとえばドコモでは、お客さまに連絡する際の送信情報を公開しており、連絡されている情報が本物かどうかの判断材料を提供しています。
また、ドコモ関連の身に覚えのない請求があった場合のお問い合わせ窓口も設置しているため、これらの方法を活用して調べてみるのも被害を減らす方法として効果的です。
本物のドコモからの連絡か確認する
ドコモのお問い合わせ・ご相談窓口
セキュリティ対策サービスを活用する
セキュリティ対策サービスを活用することでも、架空請求の電話による被害を減らせます。
ドコモが提供している「あんしんセキュリティ スタンダードプラン」の「迷惑電話対策」機能では、詐欺・架空請求などの危険な電話の可能性が高い電話番号からの発着信を自動で判別し、警告画面を表示します。
「迷惑電話対策」機能を活用することで、架空請求電話に気づかず電話に出てしまうリスクを減らせるでしょう。
まとめ
架空請求の電話とは、公的機関や大手企業、サービスなどを騙って、実際には発生していない架空の利用料金などの請求を行う詐欺電話のことです。
国際電話番号や「050」など身に覚えのない電話番号からかかってくることが多く、電話に出たり折り返したりすることで、未納料金が発生していると説明されます。さらに、支払わないと「裁判」や「法的措置」を取ると脅し、電子マネーなどを購入して支払うよう求めてきます。
架空請求電話による被害を減らすには、身に覚えのない電話には出ないことが有効です。また、着信があった場合でも、その内容を鵜呑みにせず、公式サイトなどで正しい内容かどうかを確認しましょう。セキュリティ対策サービスなども活用して、架空請求の電話によるリスクを減らすことも効果的なので、この機会に導入をご検討ください。