Androidを狙うマルウェアの手口とは?対策方法を紹介
昨今、Androidを狙うマルウェアの脅威が増しています。セキュリティ対策の重要性を認識しつつも、具体的な方法がわからないという方もいるでしょう。
この記事では、Androidを標的とするマルウェアの手口や効果的な対策方法について詳しく解説します。Androidスマホを安全に使用したい方はぜひ参考にしてください。
目次
Androidを狙うマルウェアとは
マルウェアは、スマホやユーザーに被害をもたらすことを目的とした、悪意のあるソフトウェアの総称です。
マルウェアに感染した場合、スマホを勝手に操作されたり、個人情報が盗まれたりする可能性があります。銀行口座の情報やクレジットカードの詳細、さらにはプライベートな写真や動画など、さまざまなデータが狙われるリスクも考えられます。
世界的に見ると、AndroidはiPhoneと比較してシェア率が高いため、攻撃者の標的になりやすいです。多くのユーザーが利用するプラットフォームであることから、マルウェアの開発者はより簡単に金銭の搾取や個人情報の窃取を狙えると考えています。そのため、Androidユーザーは特に注意を払う必要があります。
Androidを狙うマルウェアの手口
Androidを狙うマルウェアの手口はさまざまです。ここでは、マルウェアを用いた主な攻撃方法について解説します。これらの手口を理解することで効果的な対策が可能となるでしょう。
不正アプリのインストール
便利な機能を装ったアプリを通じて、マルウェアをスマホに忍び込ませる手口です。攻撃者はユーザーの興味を惹くようなアプリを作成し、マルウェアを仕込みます。
これらのアプリは一見、有益な機能を提供しているように見えることが多いですが、多くの場合はフェイクであり、実際には該当の機能が存在しないことも少なくありません。
また、正規のアプリストアではなく偽のアプリストアに誘導し、マルウェア入りのアプリをインストールさせるケースも報告されています。偽のアプリストアは、見た目が公式のGooglePlayストアに酷似していることが多く、注意を怠ると容易に騙されてしまう危険性があります。
フィッシング詐欺
フィッシング詐欺とは、メールやSMSなどを利用してユーザーを偽のWebサイトへ誘導し、個人情報や金銭を騙し取る詐欺手法です。また、偽のWebサイト上で、ユーザーにマルウェアを仕込んだファイルをダウンロードさせて感染させるケースもあります。攻撃者は銀行やクレジットカード会社、有名なオンラインサービスを装い、緊急性のある内容でユーザーの不安を煽る点が特徴です。
たとえば「アカウントが停止されました」や「セキュリティ上の問題が発生しました」といった文面で、ユーザーに即時の対応を促すのが代表的な手口です。問題解決のために偽サイトへ誘導し、そこで個人情報の窃取やマルウェアへの感染を狙います。
フリーWi-Fiの悪用
公共施設などで提供されるフリーWi-Fiは便利な反面、マルウェアを感染させる経路として利用されることもあります。攻撃者は、フリーWi-Fiに接続したユーザーを偽のWebサイトに誘導し、そこでマルウェアを含むファイルやアプリをダウンロードさせようとします。
特に注意が必要なのは「なりすましWi-Fi」です。これは、正規のWi-Fiに似た名前を使用して、ユーザーを騙す手口を指します。たとえば、カフェの公式Wi-Fiが「Cafe-Free」である場合、攻撃者は「Cafe-Free-Guest」のような紛らわしい名前のWi-Fiを設置し、ユーザーに誤って接続させようとします。
フリーWi-Fiを利用する際には、常にこれらのリスクを意識することが重要です。
Androidマルウェアの対策方法
ここでは、Androidスマホがマルウェアに感染しないための対策方法を解説します。
安全なアプリのインストール方法や、OSのアップデートの重要性などを理解することで、マルウェア感染のリスクを大幅に低減できるでしょう。
Google Playストア以外でインストールしない
アプリをインストールする際は、Google Playストアを利用しましょう。GooglePlayストアで配信されているアプリは、厳密な審査を通過した安全性の高いものが多いです。不正アプリによるマルウェアへの感染リスクを抑えられる可能性が高いといえます。
ただし、GooglePlayストアの審査をすり抜けてしまうマルウェアも存在するため、必ずしも安全というわけではありません。そのため、アプリをインストールする前に開発元の情報を確認することが大切です。信頼できる企業や開発者が提供しているアプリかどうかをチェックしてください。
さらに、ほかのユーザーの口コミやレビューを参考にすることも有効です。インストール数が豊富で高評価を得ているアプリは、比較的安全である可能性が高いでしょう。しかし、過度に誇張された評価や不自然に高評価が集まっているアプリには注意が必要です。
OSは常に最新にアップデートする
AndroidのOSを最新の状態に保つことは、マルウェア対策において非常に重要です。OSのアップデートには、新しい機能の追加だけでなく、セキュリティの脆弱性を修正するパッチも含まれています。これにより、既知の脆弱性を突いた攻撃から端末を保護できます。
また、アップデートを確実に行うためには、自動アップデート機能を有効にしておくことがおすすめです。この設定により、アップデートがリリースされ次第、自動的にダウンロードとインストールが行われます。また、Wi-Fi接続時にのみ実施されるよう設定しておくと、モバイルデータの消費を抑えることができます。
フリーWi-Fiを利用する際はVPNを使う
フリーWi-Fiを利用する際のセキュリティリスクを軽減するためには、VPN(仮想プライベートネットワーク)の使用が効果的です。VPNは、第三者から見えない仮想専用線を経由して、暗号化されたデータを送受信する技術です。
VPNを活用してインターネットにアクセスした場合、個人情報の特定が困難になり、マルウェアの感染リスクを抑えられる可能性が高まります。通信が暗号化されるため、フリーWi-Fi利用時でも一定のセキュリティが保たれ、「なりすましWi-Fi」経由のマルウェア感染などを防ぐ効果も期待できるでしょう。
Androidスマホの場合、Google Pixel 7以降のモデルにはGoogleVPNが搭載されており、無料で使用できます。また、ほかにも多様なVPNアプリが提供されているため、口コミや提供元の信頼性を確認した上で適切なアプリを選択しましょう。
セキュリティ対策サービスを活用する
マルウェア感染を防ぐためには、セキュリティ対策サービスの活用が効果的です。これらのサービスは、潜在的な脅威を検出・排除する機能を備えています。
たとえば、ドコモの「あんしんセキュリティ」に搭載されている「ウイルス対策*」機能の活用が便利です。この機能は、ウイルス定義ファイルとマルウェア評価データベースを用いて、スマホ上のアプリやファイルを定期的にスキャンします。ウイルスや不審なアプリ・ファイルが検知された際には、即座に警告を表示し、ユーザーに適切な対処方法を提案します。
あんしんセキュリティの「ウイルス対策*」機能について
*ウイルス対策機能は、Android 8.0以上のドコモスマートフォン・タブレットで利用可能
まとめ
Androidを狙うマルウェアは、不正アプリのインストール、フィッシング詐欺、フリーWi-Fiの悪用など、さまざまな手口で端末への感染を狙っています。感染した場合、個人情報の盗難や金銭的な被害に遭う可能性があり、大変危険です。
マルウェアへの感染を防ぐためには、Google Playストア以外からのアプリのインストールは避け、OSを常に最新の状態に保つことが重要となります。また、VPNの利用やセキュリティ対策サービスの活用も、マルウェア対策の有効な手段の一つです。
Androidユーザーは、マルウェアの手口と適切な対策方法を理解し、自身の端末を守るための対策を講じることが必要です。日常的にセキュリティ意識を高め、マルウェアによる被害を未然に防ぎましょう。