Androidのアドウェアを削除する方法とは?感染経路や確認方法も解説
Androidスマホを使っていると、急に広告表示が多くなることがあります。画面に広告が頻繁に表示されたり、見覚えのないアプリが勝手にダウンロードされたりしている場合は、悪意のある「アドウェア」からウイルスに感染している可能性があります。
ウイルス感染しても広告が表示される程度で大きな問題はないように思えますが、個人情報を盗まれたり、スマホの動作に影響を及ぼしたりと、さまざまな問題を引き起こす可能性があるため危険です。
この記事では、Androidのアドウェアの概要や危険性、アドウェア経由のウイルス感染からスマホを守るための対策法について詳しく解説します。
目次
アドウェアとは?
アドウェア(adware)とは、ユーザーが無料でアプリなどのソフトウェアを利用できる代わりに、広告を表示して収益を得るプログラムのことです。ユーザーにとっては無料でアプリを利用できるメリットがありますが、悪意のあるアドウェアを経由してウイルス感染すれば、許可なしに広告を表示されたり、個人情報を収集されたりする危険性があります。
また、プライバシーを侵害して、デバイスのパフォーマンスを低下させることもあります。アドウェアは合法的なものや悪意のあるものなど、いくつかの種類があります。
ここでは、それぞれの特徴や違いについて詳しく説明します。
アドウェアの概要
アドウェアには、主に「合法的なアドウェア」「望ましくない可能性のあるプログラム」「悪意のあるアドウェア」の3種類があります。
合法的なアドウェアは、ユーザーの同意のもとで広告を表示し、アプリなどのサービス提供元が収益を得る方法です。たとえば無料のニュースアプリを利用しているときに、記事の間に広告が表示されるケースを想像するとわかりやすいでしょう。ユーザーは無料で記事を読むために、アドウェアのダウンロードに承諾することで、サービス提供側は収益を得られます。
望ましくない可能性のあるプログラムは、配信者側に悪意はないものの、マルウェアが侵入するためのプラットフォームになり得る可能性のあるプログラムのことです。ユーザーにとって有用な機能を提供することもありますが、セキュリティ上のリスクが伴います。たとえばアプリの機能自体には問題がないものの、セキュリティ上の脆弱性があることでほかの悪意のあるプログラムがインストールされるリスクが存在します。
悪意のあるアドウェアは、意図的にユーザーに不利益をもたらすように設計されています。そのため、許可なく広告を表示し、場合によってはユーザーの個人情報が漏洩する可能性もあります。
このように合法的なものと悪意のあるものが存在するため、その違いを見極めて、適切な対策を講じることが重要です。
悪意のあるアドウェアの危険性
悪意のあるアドウェアは嘘の警告を出し、別のページに遷移させて個人情報を盗んで悪用したり、スマホをハッキングしたりする場合もあります。
たとえば、ターゲットがスマホを使用しているときに「ウイルスに感染しました!」という警告を表示させ、高価なセキュリティアプリを購入するように促すという手口でユーザーを欺くことがあります。また、購入時に入力したクレジットカード情報を不正に入手し、悪用する場合もあります。
また、感染に気づかずファイルやデータを送ってしまうと、受信先の会社や個人のデバイスに感染を広げてしまうおそれもあります。
そのため、アドウェアにアクセスした後にスマホが自動的に再起動したり、不明なアプリがインストールされたりなどの症状が現れた場合はウイルス感染によるハッキングを疑いましょう。
アドウェアを削除する手順
Androidスマホが悪意のあるアドウェアの影響を受けている場合は、Chromeブラウザを使用している際に問題が起きていることがあります。しかし、Chromeには「Google Play プロテクト」というセキュリティ機能があり、ウイルスに感染する可能性のあるアプリを検出したり、無効化したりすることが可能です。
Chromeでアドウェアを削除する手順は下記のとおりです。
- ブラウザ右上に表示されている三点メニューアイコンをタップして、ブラウザ内の「設定」を開きます。
- 設定画面で下にスクロールして「詳細」または「詳細設定」を選択します。ここで「設定リセット」というオプションを選択しましょう。
- 「設定をもとの規定値に戻す」というオプションを選択します。
- 「リセット」を選択します。
この手順を踏めばChromeの設定が初期状態に戻り、アドウェアが削除されます。
ただし、この方法はChromeブラウザ内の問題にのみ対処するものであり、デバイス全体のウイルス感染には対応していません。より広範囲なウイルス対策をするには、信頼できるセキュリティ対策アプリなどを活用してデバイス全体をスキャンすることをおすすめします。
Androidが悪意のあるアドウェアからウイルス感染する場合の経路
Androidスマホが悪意のあるアドウェアからウイルス感染する場合の経路は、いくつかあります。
ここでは、主な感染経路と危険性について詳しく解説します。日々の使用に注意を払うことで、悪意のある不正なアドウェア経由のウイルス感染リスクを減らすことができるでしょう。
不正なアプリを取得する
無料のアプリのなかには不正アプリが含まれていることがあります。不正なアプリをインストールする際に、同時に悪意のあるアドウェアもダウンロードされ、スマホがウイルスに感染するという場合があります。
特に、非公式アプリストアからのダウンロードは避けましょう。非公式アプリストアのアプリは安全性が十分に確認されていないことが多く、悪意のあるアドウェアが仕込まれている危険性があります。
また、アプリの権限を過剰に要求される場合も要注意です。シンプルなゲームアプリでも、連絡先やカメラへのアクセスを求めるようなケースは、ユーザーの個人情報の収集を目的として悪意のあるアドウェアが仕込まれている可能性があります。
悪意のあるサイトにアクセスする
表示されたアドウェアの遷移先のサイトにアクセスすることで、ウイルス感染してしまうケースがあります。特にリスクがあるのはアダルトサイトや違法ダウンロードサイトなど、セキュリティ対策が不十分なサイトにアクセスした場合です。悪質なアドウェアの場合には、ユーザーの同意なしにマルウェアを自動的にダウンロードさせるコードなどが埋め込まれているケースがあります。
また、「リンクを開く」や「アンケートに回答する」などの行動を促す不審な要求に応じてしまうと、知らないうちにアドウェアをインストールしてしまう可能性もあるので、むやみにアクセスしないよう注意が必要です。
怪しいポップアップにアクセスする
ブラウジング中に突然表示されるポップアップ広告も、主要な感染経路の一つです。たとえば「ウイルスに感染しました」「お使いのデバイスが危険です」などの緊急性を煽るメッセージです。
これらのポップアップの目的は、ユーザーを不安にさせて行動を促すことであり、アドウェアをタップさせ、不正サイトに遷移させることが目的です。
もしもこのようなポップアップに遭遇した場合は、決して表示された指示に従わないことが重要です。ブラウザを即座に閉じるか、スマートフォンの電源を切るなどして対処しましょう。
Androidが悪意のあるアドウェア経由でウイルス感染しているか判断するポイント
不正なアドウェアによるウイルス感染の兆候を確認することで、個人情報の漏洩やスマホの不具合などの被害を最小限に抑えられます。
ここでは、ウイルス感染しているかどうか判断する際のポイントについて説明します。
頻繁にポップアップ広告が表示される
ポップアップ広告が頻繁に表示される場合は、ウイルスに感染している可能性があります。広告の内容が見たことのない企業・商品であったり、同じ広告が何度も表示されたりする場合は、ウイルスに感染している可能性を疑いましょう。
また、ゲームをしている最中に突然広告が表示されて、不適切な内容や無関係な商品を宣伝している場合もウイルスの影響を受けている可能性があります。
スマホの動作が遅くなる
ウイルスは裏で広告を表示するためにスマホのリソースを使用するため、スマホ全体の動作が遅くなることがあります。アプリの起動が遅くなったり、操作がスムーズにできなくなったりする場合は、ウイルスの感染を疑ってください。
バッテリーの消耗が早くなる
通常よりもバッテリーの減りが早くなる現象も、ウイルスによる影響の可能性があります。ウイルスは常にバックグラウンドで動作しており、広告を表示し続けるため、バッテリーの消費量が大きくなります。
スマホをあまり使っていないのにバッテリーが急に減る場合は、ウイルスの影響を疑ってください。たとえばスマホを放置していたにもかかわらず、気づいたらバッテリーが大幅に減っている場合は、ウイルスがバッテリーを消耗している可能性があります。
知らないアプリがインストールされている
インストールした覚えのないアプリが突然スマホに現れる場合は、ウイルスによる影響である可能性が高いでしょう。ウイルスはユーザーの許可なくほかのアプリをダウンロードしてインストールします。そのため、定期的にアプリ一覧を確認して、見覚えのないアプリがないかチェックすることが重要です。
ブラウザの検索結果がいつもと違う
Googleを利用しているときに怪しいリンクや広告が表示される場合は、ウイルスによる影響を受けている可能性があります。ウイルスはブラウザの設定を変更して、特定の広告サイトやフィッシングサイトにリダイレクトさせることがあります。
Androidを悪意のあるアドウェアから守る方法
悪意のあるアドウェアからAndroidスマホを守るためには、事前に対策を講じることが大切です。ここでは、悪意のあるアドウェアからAndroidスマホを守るための方法を4つ紹介します。
ソフトウェアは常に最新版にする
OSなどの基本ソフトウェアの更新内容には、セキュリティの強化が含まれていることがあります。最新版に更新することでセキュリティ面の安全性を維持できるので、ソフトウェアの更新の通知が届いた際はすぐに更新しましょう。セキュリティの弱点が改善されるため、アドウェア経由のウイルス感染リスクを減らせます。
セキュリティ対策サービスを活用する
悪意のあるアドウェアを含むさまざまな脅威からスマホを守るには、セキュリティ対策サービスの活用が効果的です。
ドコモの「あんしんセキュリティ」には「ウイルス対策*」機能が搭載されており、ウイルスや不審なプログラムがないかを確認し、検知した場合にお知らせしてくれます。さらに、スキャン機能により、すでにインストールされているアプリの安全性も確認できます。
「あんしんセキュリティ」を活用することで、より安全で快適なスマホの利用が可能になります。悪質なアドウェア感染に不安な方は、ぜひ「あんしんセキュリティ」の利用を検討してみてください。
あんしんセキュリティの「ウイルス対策*」機能について
*ウイルス対策機能は、Android 8.0以上のドコモスマートフォン・タブレットで利用可能
怪しいポップアップにはアクセスしない
見覚えのないサイトの広告表示が急に増えた、同じサイトのポップアップが繰り返し表示される、などの場合にはアクセスしないようにしましょう。特にユーザーの不安を煽るようなポップアップ広告は悪意のあるアドウェアの可能性が高いため、アクセスしないようにしてください。
もし、怪しいポップアップ広告が表示された際は、すぐにブラウザを閉じるように心がけましょう。
公式アプリストア以外からインストールしない
信頼できないサイトから、アプリをインストールしないことも有効な対策の一つです。やむを得ない事情がない限り、公式のアプリストアや信頼できる公式サイトからアプリをインストールするようにしましょう。
また、もしアプリをインストールするのであれば、ユーザーのレビューや口コミなどを参考にすることも大切です。ネガティブなコメントや著しく評価が低い場合は、インストールを避けることをおすすめします。
まとめ
アドウェアは合法的なものもありますが、なかには悪意のあるアドウェアも存在します。悪意のあるアドウェアが経路となってウイルス感染するリスクがあり、無料アプリのダウンロード、悪意のあるWebサイトへのアクセス、怪しいポップアップのアクセスなどから感染します。このような感染経路を理解し、適切な予防策をとることが重要です。
対処方法として公式サイトからアプリをインストールすること、不審なサイトやポップアップへのアクセスを避けることなどが挙げられます。しかし、個人ですべての対策を実施するのは難しいため、スマホの安全性をより高めるには、セキュリティ対策サービスの活用がおすすめです。
ドコモの「あんしんセキュリティ」は、ウイルス対策、危険サイト対策など、スマホを守る機能が揃っています。あんしんして使えるセキュリティ対策サービスを探している方は、ぜひドコモの「あんしんセキュリティ」を検討してみてください。