Androidスマホのセキュリティ機能とは?ウイルス感染した場合の症状も解説
Androidスマホユーザーのなかには、セキュリティ対策の必要性を感じつつも、具体的な方法がわからないという人もいるのではないでしょうか。スマホがウイルスに感染すると、個人情報を盗まれたり、動作不良を起こしたりする可能性があるため、セキュリティ対策を実施しておくことが大切です。
この記事では、Androidスマホに備わっているセキュリティ機能や、より安全性を高めるためのポイントについて解説します。ウイルス感染時の症状や、Androidスマホの脆弱性についても触れるため、安全にAndroidスマホを利用したい人は参考にしてください。
目次
Androidスマホがウイルスに感染するとどうなる?
Androidスマホがウイルスに感染した場合、さまざまな問題が生じる可能性があります。ここでは、代表的な症状とその影響について詳しく説明します。
データ通信量が大幅に増加する
Androidスマホがウイルスに感染した場合、データ通信量が急激に増加することがあります。悪意のあるプログラムが個人情報などを外部に送信することが原因として考えられます。
通常と比べ著しく通信量の増加が見られる場合、ウイルス感染の可能性を疑いましょう。特に、モバイルデータ通信を利用している場合は要注意です。早々に月々の通信制限に達して通信速度が低下したり、通信プランの契約状況によっては高額請求につながったりする可能性もあります。
勝手にカメラが起動する
ウイルス感染の症状の一つとして、Androidスマホのカメラが突然起動するケースがあります。この場合、ウイルスがデバイスの制御権を奪い、遠隔操作されていることが考えられます。
多くのアプリでは、インストール後に「○○へのアクセスを許可しますか?」といったような機能へのアクセス許可が求められます。アクセス許可は正規のアプリで行われる一般的な手続きですが、不正アプリも同様の手法を用いて、ユーザーの許可を得ようとすることがあります。
カメラの不審な動作に気づいた場合は、最近インストールしたアプリがないか・ダウンロードしたファイルがないかなどを確認し、怪しいと思われるアプリは削除しましょう。
アプリが利用できなくなる可能性がある
ウイルス感染によって起こりうる深刻な問題の一つに、アプリが利用できなくなることが挙げられます。特に注意すべきなのは、「ランサムウェア」と呼ばれる悪質なプログラムです。
ランサムウェアとは、Androidスマホ内のデータやアプリを人質に金銭などを要求される、いわば電子的な脅迫行為のプログラムのことです。「身代金」を意味する「ransom」に由来する名称です。ランサムウェアに感染した場合、スマホ内の重要なファイルが暗号化されたり、アプリの起動が妨げられたりする可能性があります。
被害に遭うと、日常的に利用しているアプリが突然開けなくなり、大切な写真や連絡先などのデータにアクセスできなくなるおそれがあります。さらに、データ復元と引き換えに金銭を要求されることも考えられます。
Androidスマホはウイルスに感染しやすい?
Androidスマホのセキュリティについて、一部で「ウイルスに感染しやすい」という話を耳にすることがあるかもしれません。この背景には、AndroidのOSコードが公開されていることが挙げられます。
OSコードとは、スマホの基本的な動作を制御するプログラムのことです。Googleが公開しているOSコードは、アプリ開発者にとって有益な情報源となる反面、悪意を持つ人々にも利用される可能性があるのです。
たとえば、公開されているOSコードをもとに不正アプリを作成し、悪意のある第三者が公式ストア以外で配布している場合があります。そのため、公式ストア以外でアプリのダウンロードをすると、ウイルス感染のリスクが高まります。
Androidスマホのセキュリティ機能
Androidスマホには、ユーザーの安全を守るために多くのセキュリティ機能が搭載されています。以下では、具体的なセキュリティ機能と特徴について詳しく説明します。
セキュリティリスクから守る設計
Androidスマホには、ユーザーをさまざまなセキュリティリスクから保護する設計が組み込まれています。日常的に行うWebサイトの閲覧やデータ共有、アプリのダウンロードといった潜在的なリスクを伴う行動に対して、複数の防御層が設けられています。
また、OSレベルでのセキュリティ保護機能が搭載されており、悪意のあるアプリがほかのアプリからデータを不正に抜き取るような行為を防げる仕様になっています。
これらの設計により、Androidスマホにはセキュリティ対策は備わっていますが、すべてのリスクに対応できるわけではないため、スマホを守るためのセキュリティ対策サービスなどの活用が必要です。
不正なアプリの影響を回避できる機能
Androidスマホユーザーの多くは、Google Playストアからアプリをインストールしています。Google Playストアでは、Googleによる審査が行われていますが、完全に不正アプリを排除することは困難です。そこで、Google Playプロテクトの機能が重要になります。
Google Playプロテクトとは、Google PlayストアがプリインストールされているAndroidスマホに標準搭載された、端末やデータ・アプリの安全性を守るためのセキュリティシステムです。この機能を活用すれば、アプリをインストールする前に不正なアプリであるかどうかを判断できるでしょう。
万が一不正なアプリがインストールされた場合でも、Google Playプロテクトが即座にユーザーに通知を送ります。そのため、早期発見と対処が可能となり、被害を最小限に抑えられます。
ただし、Google Playプロテクトに全面的に頼るのではなく、アプリの提供元や評価、またセキュリティ対策サービスの活用などと併せて自身でも確認や対策を行うことが大切です。
危険サイト対策の機能
インターネット利用時の安全性を高めるため、Androidスマホには危険なWebサイトやファイルから端末を守る機能が搭載されています。この対策機能は、主にGoogleセーフブラウジングやセキュリティアプリによって提供されます。
Googleセーフブラウジングとは、Googleが提供する無料のセキュリティサービスです。危険なサイトやファイルのデータベースを常に更新しており、ユーザーが不審なサイトにアクセスしようとした場合に警告メッセージを表示します。
セキュリティアプリはAndroidの公式アプリストアからダウンロードできます。たとえば、危険サイトにアクセスしそうになった場合に警告が表示される機能などが備わったアプリがあります。
危険な通話を知らせる機能
電話による詐欺や迷惑行為が増加していることを受けて、Androidスマホの機種のなかには、危険な通話を事前に知らせる機能が備わっているものがあります。この機能は、スパム対策の一環として開発されたもので、ユーザーを危険な通話から守る役割を果たします。
スパムとは、不特定多数に向けて送られる迷惑な通信のことです。電話の場合、詐欺や勧誘など、受け手にとって望ましくない通話が該当します。
このような機能を活用することで、不審な電話番号からの着信を事前に察知できます。
アプリによる不正なデータ共有を防止する機能
Androidスマホでアプリを使用する際、端末のデータにアクセス許可を求められることがあるでしょう。この要求は正規のアプリでも行われる動作ですが、場合によってはユーザーのプライバシーを侵害してしまう可能性もあります。
Androidスマホには、アプリごとに詳細なデータ共有設定が可能な機能があります。設定可能な項目にはマイクやカメラ、位置情報などがあり、各項目において「1回のみ」「常に許可」「許可しない」といった選択肢から選ぶことが可能です。
この設定を活用することで、データ共有を必要最小限に抑え、不正なアクセスのリスクを軽減できるでしょう。定期的に設定を見直し、用途に応じたアクセス許可の管理を行うことをおすすめします。
長期間利用していないアプリのデータ共有を停止する機能
Androidスマホ内に長期間使用していないアプリもあるでしょう。これらのアプリは、知らないうちにバックグラウンドで動作し、不要なデータ共有を行っている可能性があります。
この問題に対処するため、Androidスマホには長期間利用されていないアプリのデータ共有を自動的に停止する機能が搭載されています。これにより、予期せぬデータ流出のリスクを軽減可能です。
一定期間(通常は数か月)使用されていないアプリの権限は自動的に取り消されるため、アプリがユーザーの許可なくデータにアクセスすることを防止できるでしょう。再び利用したいアプリがある場合は、必要な権限を再設定して利用します。
Androidスマホのセキュリティを高める対策
Androidスマホには上記のようなセキュリティ対策が備わっていますが、ユーザーの判断に頼る場面や、定期的なチェックなどが求められることがあるため、ユーザー自身による対策が欠かせません。そのため、スマホの安全性をさらに高めるための具体的な対策方法を紹介します。
セキュリティ対策サービスを活用する
Androidスマホを安全に利用するためには、セキュリティ対策サービスの活用が効果的です。セキュリティ対策サービスは、日々進化するサイバー脅威から端末を守る重要な役割を果たします。
たとえば、ドコモが提供するセキュリティアプリ「あんしんセキュリティ」には、ファイルやアプリに潜むウイルスを検出する「ウイルス対策*」機能があります。この機能によりウイルスの感染予防や早期発見が可能になり、被害を防ぐことが可能です。また、偽サイトのアクセスに対して警告画面を表示する「危険サイト対策」も搭載されています。
ただし、セキュリティアプリを導入しただけであんしんしてはいけません。定期的なスキャンの実行や、警告メッセージへの適切な対応などを、ユーザー自身が積極的に実施することが大切です。
OSは常に最新版にしておく
AndroidスマホのOSは、定期的にアップデートが配信されます。このアップデートには、新機能の追加だけでなく、セキュリティ面での強化も含まれているため、常に最新版に更新しておくことが大切です。
特に重要なのは、脆弱性の修正です。脆弱性はソフトウェアの欠陥や設計上の問題点のことで、悪意がある第三者に悪用される危険性があります。アップデートにより、これらの脆弱性が修正され、セキュリティが向上します。
OSのアップデート方法は、通常「設定」アプリから行えます。自動アップデートの設定も可能のため、更新を忘れないように自動設定にしておくことがおすすめです。
定期的にデータのバックアップを取っておく
Androidスマホのセキュリティ対策として、定期的にデータのバックアップを取っておくことも大切です。万が一ウイルス感染などにより端末の初期化が必要になった場合でも、バックアップがあれば大切なデータを失わずに済むでしょう。
バックアップの方法には、クラウドストレージを利用する方法と外部ストレージを使用する方法があります。クラウドストレージとは、インターネット上のサーバーにデータを保存するサービスのことで、Googleドライブなどが該当します。一方、外部ストレージとはSDカードなどの物理的な記憶媒体を指します。
セキュリティの観点からは、外部ストレージに対応している機種は、外部へのバックアップがより安全といえるでしょう。クラウドストレージは便利ですが、インターネットを介するため、理論上はハッキングのリスクがあります。
ただし、外部ストレージも紛失や破損のリスクがあるため、両方を併用するのが理想的といえます。バックアップの頻度は、データの更新頻度に応じて設定しましょう。週1回程度が理想的ですが、重要なデータは都度バックアップを取ることをおすすめします。
信頼できるアプリのみをインストールする
Androidスマホの安全性を保つために、アプリの提供元にも注意を払いましょう。基本的には、Google Playストアからアプリをインストールすることが望ましいです。
特にGoogle Playストア以外からインストールしたアプリは、Googleによる審査を通っていない可能性が高く、ウイルスが含まれているリスクがあります。
ただし、Google Playストアで配信されているアプリであっても、危険性が全くないとは限りません。そのため、アプリの提供元や評価、ダウンロード数などを確認し、信頼できるものを選ぶことが大切です。
無料のWi-Fiは使用を控える
公共の場所で提供される無料Wi-Fiは便利ですが、セキュリティリスクを伴う可能性があります。無料Wi-Fiの多くは、十分な保護対策が施されていないため、悪意がある第三者による不正アクセスの標的になりやすいというリスクがあります。
不正アクセスとは、権限のない人が不正な手段でネットワークやデバイスに侵入することを指し、個人情報の漏洩や金銭的被害につながるおそれがあります。
やむを得ず無料Wi-Fiを利用する場合は、最低限のセキュリティ対策が施されているかを確認することが重要です。「設定」>「Wi-Fi」で表示される使用可能なWi-Fi一覧のうち、接続しようとしているWi-Fiの右側にカギのマークがあれば、通信が暗号化されていることを示します。
しかし、暗号化されていても完全に安全とは限らないため、無料Wi-Fiの環境下で個人情報を取扱う操作は避けた方がよいでしょう。
まとめ
Androidスマホのセキュリティ機能は、ユーザーをさまざまな脅威から守るように設計されています。ウイルス感染の症状としては、データ通信量の急増や不審なカメラの起動などが挙げられます。
対策方法としては、セキュリティアプリの活用やOSの定期的なアップデートが効果的です。また、信頼できるアプリのみをインストールし、こまめにデータのバックアップを行うことも重要です。個人情報を取扱う場合は、無料Wi-Fi環境下での操作は避けましょう。
これらの対策を組み合わせることで、Androidスマホをより安全に利用できます。ただし、完璧な対策はないため、ユーザー自身も常に注意を払い、適切な使用を心がけることが大切です。