QRコード詐欺とは?手口や見分け方、対策方法を徹底解説

#危険サイト対策
公開日:
更新日:
セキュリティニュースのサムネイル画像

QRコードは便利な半面、近年では詐欺の手口として悪用されるケースが増えています。場合によっては個人情報を盗まれたり、不正な取引に巻き込まれたりする危険性もあるため、リスクを避けるためにも、どのような詐欺なのか事前に知識を身に着けておく必要があります。

そこで本記事では、QRコード詐欺の手口や見分け方のポイントを解説します。さらに、具体的な対策方法についても詳しく説明するため、QRコードを日常的に利用している方や、スマホのセキュリティ対策に関心がある方は、ぜひ参考にしてください。

目次

QRコード詐欺とは?

QRコード詐欺とは、QRコードを用いて個人情報を盗んだり、不正な取引に誘導したりする詐欺手法のことです。以下では、QRコード詐欺の概要と被害の動向について詳しく解説します。

QRコード詐欺の概要

QRコード詐欺とは、便利なツールとして広く普及したQRコードを悪用した、フィッシング詐欺の一種です。犯罪者が作成した不正なQRコードをユーザーが読み取り、偽のWebサイトに誘導され、個人情報の入力などが求められます。

そこで流出したメールアドレスや電話番号、口座番号やクレジットカード情報が不正利用されたり、金銭を要求されたりする詐欺のことをいいます。

QRコードの特徴として、見ただけではリンク先のURLがわからないという点があります。この特性を悪用することで、ユーザーの警戒心をすり抜けようとするのです。

QRコード詐欺の被害の動向

近年、QRコードを利用した詐欺行為が急増しており、その手口も巧妙化しています。フィッシング対策協議会の2023年1月の報告によれば、QRコードを利用したフィッシングメールは1,000件を超えたとされています※1

この手法は従来のURL表示ではなく、QRコードを使用することで受信者の警戒心を解くことが特徴です。たとえばメール本文にQRコードを埋め込み、「キャンペーン応募はこちら」などと誘導するケースが多く見られるようになりました。

QRコードの普及に伴い、悪用事例が増加することが予想されます。このような状況を踏まえると、QRコードの利便性を享受しつつ、同時に潜在的なリスクにも注意を払う必要があります。安易にQRコードを読み取る前に、送信元や情報源を確認する習慣を身につけることが、被害を防ぐ第一歩です。

※1 出典: フィッシング対策協議会「2023/01 フィッシング報告状況」
https://www.antiphishing.jp/report/monthly/202301.html

QRコード詐欺の手口

QRコード詐欺にはいくつかの手口があります。ここでは、代表的な手口としてフィッシングサイトへの誘導や不正な取引への誘導、マルウェア感染について詳しく解説します。

フィッシングサイトに誘導される

QRコード詐欺の代表的な手口の一つが、フィッシングサイトへの誘導です。ユーザーがQRコードを読み取ると、正規のWebサイトに酷似した偽サイトに遷移します。これらのサイトは、銀行や有名企業のものを巧妙に模倣しているため、正規のサイトと見分けがつかない場合もあるでしょう。

偽サイトでは、ログイン情報やクレジットカード番号などの重要な個人情報の入力を求められることがあります。このとき「アカウント情報の確認が必要」「セキュリティの更新」といった理由が提示されるかもしれませんが、十分な注意が必要です。

場合によっては入力された情報が犯罪者の手にわたり、金銭的被害や個人情報の不正利用につながる可能性があります。

不正な取引に誘導される

QRコード詐欺の別の手口として、不正な取引への誘導が挙げられます。被害者がQRコードを読み取ると、送金ページに誘導される仕組みです。

これらのページは、近年増加している決済サイトのページに似せて作られていることが多く、たとえば「料金が未払いです」のような通知が表示され、支払いや個人情報の入力を求められる手口があります。

被害者は、サイトの見た目に惑わされ、不正な取引だと気づかないまま行動してしまうこともあるでしょう。特に、緊急性を煽る文言や、限定的な特典をちらつかせる手口には注意が必要です。

マルウェアに感染させる

マルウェア(悪意のあるソフトウェア)への感染も、危険な手口の一つです。QRコードから遷移したサイトが偽のサイトになっており、アプリやファイルのダウンロード、あるいはサイト内のURLへのアクセスを通じて、有害なプログラムがダウンロードされる仕組みです。

マルウェアに感染した場合、個人情報や通信記録が外部に流出したり、遠隔操作されたりする危険性があります。流出した個人情報をもとに金銭的な被害に遭う可能性や、端末のカメラやマイクを悪用されることで、プライバシーが侵害される可能性も考えられるでしょう。

QRコード詐欺の見分け方

QRコード詐欺を未然に防ぐためには、詐欺かどうかの見分け方を知っておくことが重要です。ここでは、具体的な見分け方について解説します。

送信元の信頼性を確認する

QRコード詐欺を見分ける重要な手がかりの一つは、送信元が信頼できるかどうかです。犯罪者はしばしば信頼できる企業になりすまして、QRコードを含むメールやSMSなどを送信してきます。

たとえば、大手企業のカスタマーサポートを装ったり、なかには同僚や上司の名前を使用したりするケースがあります。普段やりとりのない相手の場合や、なんの脈絡もなく急にQRコードが送られてきた場合には注意が必要です。

このような状況に遭遇した場合、まずは落ち着いて送信元の真偽を確認しましょう。不審に思ったら、QRコードを読み取る前に別の手段で送信者に確認することが賢明です。企業からの連絡であれば、公式サイトや公式の問い合わせ窓口を通じて真偽を確かめましょう。

メールのスペルや文法に誤りがある

また、添付メールのクオリティも判断材料として挙げられます。正規の企業からの連絡であれば、文面は慎重に作成され、送信前にチェックされているはずです。そのため、スペルミスや文法の誤りが目立つ場合は、詐欺の可能性を考慮した方がよいでしょう。

たとえば、企業名や製品名の綴り間違い、不自然な文章構造、一般的でない表現や漢字の使用などが見られることがあります。これらは、文面で使用されている言語を母語としない人が作成した場合や、機械翻訳を使用した際に生じやすい特徴です。

また、文体の一貫性にも注目しましょう。正規のビジネス文書であれば、ていねいで統一された文体が使われます。急に親しげな口調になったり、フォーマルさが欠けたりする場合は要注意です。

スペルや文法のミスがあるからといって、必ずしも詐欺であるとは限りませんが、そのような不備は警戒すべきサインの一つとして捉えるべきでしょう。不審に感じたら、QRコードを読み取る前に、送信元に直接問い合わせるとあんしんです。

QRコードの読み取りを緊急に実施させようとする

QRコード詐欺の手口のなかでも、特に警戒すべきなのが緊急性を煽る手法です。受信者に冷静な判断の時間を与えず、即座の行動を促すことで、詐欺の成功率を高めようとする狙いがあります。

典型的なケースでは、メールやSMSに「今すぐ確認が必要」「24時間以内の対応が必須」といった文言が含まれます。さらに、「アカウントがロックされる」「重要な特典を逃す」など、行動を起こさないことによる不利益を強調する場合もあるでしょう。

このような文言には、受信者の不安や焦りを利用しようとする意図が隠れています。冷静に考える余裕を奪うことで、通常なら気づくはずの不自然さや矛盾点に気づかせない効果があるのです。

QRコード詐欺の対策方法

QRコード詐欺から身を守るためには、適切な対策を講じることが重要です。ここでは、具体的な対策方法について解説します。

危険サイトへのアクセスを防ぐ機能を活用する

QRコード詐欺から身を守るには、遷移先の危険サイトへのアクセスを防ぐ機能で対策しましょう。もしQRコードを読み取ってしまっても、セキュリティ対策サービスの活用や、Googleセーフブラウジングなどの機能の活用により、危険なサイトにアクセスした場合に警告が表示されたり、アクセスをブロックしてくれたりします。

怪しいQRコードは読み取らない

QRコード詐欺から身を守る最も基本的な対策は、不審なQRコードを読み取らないことです。特に、見知らぬ送信元からのメールに添付されたQRコードには細心の注意が必要でしょう。

また、クレジットカード情報や銀行口座の詳細といった機密性の高い情報の入力を求めるQRコードにも要注意です。こうした情報を、QRコード経由で求めることは極めて稀です。

不審に感じた場合は、QRコードを読み取る前に別の手段でサイトの真偽を確認しましょう。たとえば、サービス提供元の公式サイトにアクセスし、そこに記載されている情報とずれがないかを確認するとよいでしょう。

また、友人や知人を名乗るメールであっても、突然のQRコード送信には警戒が必要です。送信者のアカウントが乗っ取られている可能性もあるため、別の連絡手段で確認を取りましょう。

安全性のあるQRコードリーダーを利用する

QRコードを安全に読み取るには、アプリの選択も重要です。無料で提供されているQRコードリーダーのなかには、セキュリティ面で懸念があるものも存在するため、注意しましょう。

過去には、公式のアプリストアで配布されていたQRコードリーダーにマルウェアが仕込まれていた事例もありました。このような事態を避けるため、慎重な選択が求められます。

また、多くのスマートフォンでは、標準搭載のカメラアプリがQRコード読み取り機能を備えています。これらは通常、メーカーによって安全性が確認されており一定の信頼ができるため、活用するのがおすすめです。

多要素認証を導入する

多要素認証は、複数の異なる要素を組み合わせてユーザーを確認するセキュリティ手法です。たとえば「パスワード入力」と「顔認証」といった2つの要素で構成される認証方法があります。

この方法を導入することで、仮にパスワードが漏洩しても、追加の認証要素がなければアカウントにアクセスできないため、セキュリティが強化されます。QRコード詐欺による被害を軽減する上でも、効果的な対策となるでしょう。

多要素認証の設定方法はサービスやアプリによって異なりますが、多くの場合はアカウント設定から簡単に有効化できます。一度設定すればその後の利用は比較的シンプルで、手間もかかりません。

セキュリティ対策サービスを活用する

スマホのセキュリティを強化する効果的な方法として、セキュリティ対策サービスの活用が挙げられます。セキュリティ対策サービスには、怪しいサイトにアクセスした際に警告を表示してくれるなどの機能が備わっています。

ドコモの「あんしんセキュリティ」には「危険サイト対策」機能が搭載されています。これにより、QRコードを読み取った後、アクセスしようとしているWebサイトが偽サイトやマルウェア配布サイトだった場合、警告を表示してアクセスをブロックします。これにより、フィッシング詐欺や不正なファイルのダウンロードを防ぐことが可能です。

最新の手口を学ぶ

サイバー犯罪の手口は日々進化しており、個人が対象となりやすいQRコード詐欺やフィッシングメールも例外ではありません。最新のトレンドを把握することが、犯罪から身を守る上で重要となります。

有用な情報源として、政府のサイバーセキュリティ部門の記事や、ニュースメディアのテクノロジー欄などが挙げられます。これらを定期的にチェックし、家族や友人と情報共有することで、周囲の意識も高められるでしょう。

まとめ

QRコード詐欺は、フィッシングサイトへの誘導や不正な取引、マルウェア感染など、さまざまな手口があります。これらの被害を防ぐには、不審なQRコードを読み取らない、メールの文面を慎重に確認する、緊急性を煽る要求に注意するなどの対策が重要です。

また、セキュリティ対策サービスの活用も効果的です。自分では防ぎきれない危険に対しても、警告表示の機能などによって安全性を保つことができます。セキュリティ対策に不安がある方にもおすすめの対策です。

QRコード詐欺から身を守るには、適切な知識と対策が重要です。まずは身近でできることからはじめていきましょう。

初回31日間無料体験は
こちら!※2

*2 31日経過後は自動継続となり、その月から月額料金がかかります。
  • 危険Wi-Fi対策

  • 迷惑電話対策

  • 危険サイト対策

  • ウイルス対策

  • 迷惑メール対策

  • アプリチェック

「QRコード」は、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
「Google」は、Google LLCの商標または登録商標です。