闇バイトの特徴とは?注意すべき勧誘手段も具体的に紹介

近年、特殊詐欺の実行役を募集する闇バイトの求人が増えています。一般的なアルバイトの求人に紛れていることも多く、意図せず犯罪の加害者となるケースも少なくありません。知らないうちにトラブルに巻き込まれないためには、その特徴を理解することが大切です。
本記事では、闇バイトに加担してしまうことによるリスクや闇バイト求人の特徴を見抜くポイント、加担リスクを減らす対策を紹介します。
目次
闇バイトとは

闇バイトとは、SNSやインターネット掲示板などで「短時間で高収入」「荷物を運ぶだけで○万円」などの甘い誘い文句を掲載し、特殊詐欺などの犯罪の実行者を「アルバイト」として募集するものです。
闇バイトの求人は、一般的なアルバイトの募集に紛れて掲載されていることも少なくありません。応募すると、詐欺の受け子・出し子・掛け子、強盗の実行犯などの犯罪行為に関与させられる可能性が高いのが特徴です。
受け子・出し子・掛け子とは、詐欺における役割のことです。受け子とは「現金やカード類を被害者から受け取る役割」、出し子とは「騙し取ったキャッシュカードから現金を引き出す、または口座に振り込ませた現金をATMから引き出す役割」を担います。
掛け子は被害者に電話をかけてだまし、ATMでの現金振り込みや受け子へ通帳・印鑑の受け渡しを指示する役割です。
闇バイトに加担してしまうリスク
闇バイトに加担してしまうと、犯行グループから脅迫されて引き返せなくなったり、警察に逮捕されたりする可能性があります。ここでは、それぞれ具体的にどのようなリスクが生じるのかを詳しく解説します。
脅迫されて引き返せなくなる
闇バイトに加担すると、犯行グループから脅迫されて引き返せなくなるリスクがあります。
闇バイトへ応募すると、事前に身分証明書の提出を求められ、その個人情報を利用し、「家族に危害を加える」「学校や職場にバラす」などと脅迫してくるケースは少なくありません。そして、恐怖心から闇バイトをせざるを得なくなり、引き返せなくなってしまいます。
逮捕される
闇バイトに応募して犯罪行為に加担してしまうと、逮捕されるリスクもあります。犯罪行為に応じた罪名と懲役等の刑罰の内容は、以下の表のとおりです。
罪名 | 刑罰の内容 |
---|---|
詐欺(受け子・出し子) | 10年以下の懲役 |
犯罪収益法移転防止法違反 (銀行口座の売買/受け取り) |
1年以下の懲役、100万円以下の罰金 |
携帯電話不正利用防止法違反 (携帯電話の売買/受け取り) |
2年以下の懲役、300万円以下の罰金 |
強盗 | 5年以上の有期懲役 |
強盗予備 | 2年以下の懲役 |
強盗致傷 | 無期又は6年以上の懲役 |
強盗致死 | 死刑又は無期懲役 |
盗品等に関する罪 (盗品等有償処分あっせん罪、盗品等運搬罪等) |
10年以下の懲役及び50万円以下の罰金 |
逮捕されると、刑事罰を受けることになります。場合によっては前科がつき、将来の就職や結婚などに大きな影響をおよぼす可能性も大いにあるため、闇バイトへの関わりを未然に防ぐことが重要です。
闇バイトの特徴を見抜くポイント
前述のとおり、闇バイトに興味を示して犯行グループなどに連絡を取ってしまうと、身分証明書の提示などを求められ引き返せなくなる可能性があります。そのため、闇バイトの特徴を把握して、事前に回避することが大切です。
異常に日給や時給が高い
異常に高額な日給や時給が提示されている求人は闇バイトの可能性が高く、高額報酬の裏には、違法行為や倫理に反する業務が隠されていることが多いため注意が必要です。「即日払い」「即金」などを強調している求人も同様に注意し、「簡単に高収入が得られる仕事はない」ということを念頭に置くことが求められます。
また、闇バイトが横行する現在では、高額報酬だと警戒されるために、日給1万円程度の報酬で募集するケースも出てきています。そのような場合は、後述の見抜くポイントを意識しましょう。
仕事内容の説明が少ない
求人に仕事内容の詳細が書いておらず、情報が少ない場合も闇バイトの可能性が高くなります。特に、「○○を運ぶだけ」「荷物を受け取るだけ」など仕事内容が詳しく書かれていない求人には気をつけましょう。
匿名性の高いアプリのインストールを指示される
闇バイトの特徴として、はじめは一般的なSNSを通じてメッセージをやりとりし、途中からセキュリティーの高さを売りにした海外のメッセージアプリへ誘導され、インストールを指示されることが多くあります。
これらのアプリは、利用者同士の通信内容や送信者の情報は暗号化されるため、外部からハッキングや盗聴することが困難です。万が一、実行役が逮捕されても指示役の足がつかないようにするため、犯行グループは匿名性の高いアプリを多用しているため、インストールを指示された場合は、闇バイトを疑ってください。
闇バイトに加担してしまうリスクを減らすには

前述した闇バイトの特徴を把握していても、「一般的なバイト」に見せかけて人材を募っている可能性があります。気づかないうちに犯罪に加担しないためにも、そもそも「闇バイトの勧誘を受ける可能性のあるサイトやメッセージ」に触れないことが大切です。
ここからは、闇バイトへの加担リスクを減らす方法を解説します。
SNSにある甘い話を信じ込まない
闇バイトへの加担リスクを減らすには、SNSに掲載される甘い話を信じ込まないようにしましょう。
闇バイトはSNSを通じて勧誘されることが多く、警察庁が発表した「特殊詐欺の受け子等になった経緯」では約47%がSNS経由だったことがわかっています。SNS経由で「誰でもすぐに稼げる」「月100万円稼ぐ方法」などの内容のDMが届いた場合、闇バイトの勧誘である可能性が高いため注意が必要です。
出典:警察庁「特殊詐欺に犯行利用された番号種別件数の推移及び受け子等になった経緯について」
不審なメール・SMSに反応しない
身に覚えのないメールやSMSで「簡単なアルバイトがある」などと勧誘メッセージが届くことがあります。これらは犯罪行為や詐欺に関与させる目的が多いため、反応しないことで加担リスクを減らせます。
闇バイトにつながるメールやSMSには、本文内にメッセージアプリのIDなどが記載されており、友だち追加をすると闇バイトの詳細を案内されるケースもあります。
このような不審なメールやSMSに触れる機会を減らすには、メールフィルタリングサービスの活用が有効です。たとえば、ドコモでは「あんしんセキュリティ スタンダードプラン」の「迷惑メール対策」「迷惑SMS対策」機能を提供しています。
「迷惑メール対策」は、迷惑メールを専用フォルダに自動で振り分ける機能です。送信元がドコモ電話帳に登録されたメールアドレスである場合に限り受信する設定もできます。
また、「迷惑SMS対策」では、メッセージアプリに送られてきたメッセージを自動判定し、迷惑メッセージと判定されたメッセージを専用のフォルダに自動で振り分けます。
これらの機能を活用すれば、闇バイトにつながる可能性のあるメールやSMSが届くのを未然に防げるため、加担リスクも減らせるでしょう。
不審なサイトにアクセスしない
不審なサイトにアクセスしないことも、闇バイトに関わらないための方法です。闇バイト専用の求人サイトには、犯罪に加担する可能性が高い仕事が多数掲載されています。これらのサイトは「闇バイト」や「闇バイト 探し方」などで検索すると見つかりますが、閲覧するだけでも危険です。
また、一見すると魅力的な条件の求人に見えても、犯罪行為に巻き込まれる可能性があるため、極端に条件の良い求人には注意を払うことが重要です。
ドコモの「あんしんセキュリティ スタンダードプラン」の「危険サイト対策」機能では、闇バイト求人が掲載されているような不審なサイトにアクセスした際に警告表示をします。危険な情報に触れるリスクを低減できるため、「迷惑メール対策」「迷惑SMS対策」機能と併せてのご利用をおすすめします。
まとめ
闇バイトの特徴は、SNSやインターネット掲示板などで甘い誘い文句を使い、高額な報酬を提示してアルバイトの名目で勧誘することです。また、匿名性の高いメッセージアプリのインストールを指示されるのも特徴の一つです。
闇バイトに加担してしまうと、引き返せなくなり実行に及んでしまう、逮捕されてしまうなどのリスクがあります。これらの犯罪へ加担するリスクを減らすには、SNSなどに掲載された甘い話を信じこまないことが大切です。危険なサイトや迷惑メール・SMSに反応しないために、セキュリティ対策サービスを利用するのも有効でしょう。
闇バイトを通じて犯罪に加担しないためにも、闇バイトの危険性に関する知識を身につけ、効果的なセキュリティ対策を実施することをおすすめします。