マルウェアを駆除する方法|注意点と具体的な感染対策をご紹介
マルウェアとは、不正な目的で作成されたソフトウェアやコードの総称です。スマホに感染することでデータの改ざんや削除、機能停止、情報漏洩などの被害をもたらします。
一般的によく耳にする「ウイルス」も、マルウェアの一種です。しかし、マルウェアという言葉自体の認知度が低いため、ウイルスとして一括りにされることもあります。しかし、両者には明確な定義の違いがあるため、前提として押さえておきましょう。
本記事では、スマホがマルウェアに感染した際の駆除方法について解説します。マルウェアの詳細や対策について知りたい方は、ぜひご覧ください。
目次
マルウェアを駆除する方法
マルウェアの感染が確認された場合、迅速に駆除することが重要です。放置しておくと、データの破損や情報漏洩など、被害が拡大するおそれがあります。ここでは、マルウェア駆除の具体的な方法として、次の2つの方法を紹介します。
セキュリティアプリ・ソフトで検知して削除する
まず、セキュリティアプリやソフトを使用して、感染した端末をスキャンします。スキャン結果から感染源となっているアプリやファイルが特定された場合、それらを削除することでマルウェアを駆除できます。
たとえば、特定のアプリがマルウェアに感染していた場合、そのアプリを削除することでマルウェアを駆除できる可能性があります。
初期化する
マルウェアの基本的な対処方法は、原因となるアプリやファイルの削除です。しかし、万が一それらを削除してもマルウェアを駆除できなかった場合は、スマホの初期化も検討してみてください。初期化とは、スマホを工場出荷時の状態に戻すことを指します。初期化まで行えば、マルウェアを駆除することが可能です。
ただし、安易な初期化は大切なデータの消失のリスクがあるため、定期的なバックアップを習慣付けておきましょう。
マルウェアに感染した場合のリスクとは?
マルウェアに感染すると、どのようなリスクに晒されるのでしょうか。主なマルウェアの種類と詳細を確認しつつ、想定されるリスクを認識しておきましょう。
マルウェアの種類 | 特徴・リスク |
---|---|
ウイルス | プログラムやファイルに寄生する。自己増殖ができるため、知らない間に被害が拡大する。 |
ワーム | プログラムやファイルなどの寄生先がなくても単体で動作できる。自己増殖機能も持っているため、感染力は非常に高い。 |
ランサムウェア | データやファイルの内容を暗号化してしまう。攻撃者はデータの復旧と引き換えに身代金を要求してくる。 |
スパイウェア | ユーザーに気づかれないように情報を盗み、外部へ発信し続ける。バックグラウンドで行われるためユーザーは気づきにくい。 |
トロイの木馬 | 有益なプログラムを装いダウンロードさせる。特定のきっかけで悪意のある動作を行う。 |
スマホの動作が遅く感じる場合、すでにマルウェアに感染しており、知らない間にスマホが不正に操作されている可能性があります。特に、Webサイトにアクセスしただけでマルウェアに感染するケースも報告されています。スマホユーザーは、マルウェア感染のリスクが常に存在することを認識し、適切なセキュリティ対策を講じることが重要です
マルウェア感染を防ぐための対策
マルウェアの感染を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか。個人でもできる具体的な対策方法を4つ紹介します。
セキュリティ対策サービスを活用する
セキュリティ対策サービスは、マルウェアに感染する前の予防策として導入しましょう。セキュリティ対策サービスを導入して定期的にウイルススキャンを行うことで、マルウェアへの感染を早期に検知できるため、感染拡大を防げます。
ドコモの「あんしんセキュリティ」の「ウイルス対策*」機能では、スマホ本体やアプリ、外部メモリなどにマルウェアが感染していないかチェックすることが可能です。ウイルスが検知された場合にはユーザーにお知らせするため、すぐに対処することができます。
また、「危険サイト対策」機能を活用すると、マルウェア感染のリスクが高い危険サイトへのアクセスを未然にブロックし、警告を表示します。そのため、マルウェア感染の未然防止に役立つでしょう。
*ウイルス対策機能は、Android 8.0以上のドコモスマートフォン・タブレットで利用可能
OSやアプリは最新バージョンにしておく
悪意ある第三者は、常にOSやアプリの脆弱性を狙っています。こうした脆弱性を修正するために、OSやアプリを提供している企業は定期的にアップデートを提供しています。OS・アプリを最新のバージョンに保つことは、マルウェアの感染を防ぐ基本的な対策なので、自動更新機能を利用してアップデートを忘れないようにしましょう。
不審なメール・SMSに注意する
メールやSMSは、マルウェアの主要な感染経路の一つです。そのため、マルウェアを仕込んだメールやSMSによる標的型攻撃には常に警戒しましょう。
特に、個人のスマホに送られてくる不審なメールやSMSには注意が必要です。緊急性の高そうな「利用料金のお知らせ」などを語った内容であれば、反射的に見てしまうという人もいるでしょう。また、本文中に記載されているURLにも要注意です。アクセスした瞬間にマルウェアに感染する可能性があるため、安易にアクセスするのは避けてください。
日々巧妙化する不審なメールやSMSを個人の力で完全にガードするのは至難の業です。セキュリティ対策サービスをはじめとしたアプリやツールなどを活用して、セキュリティリスクを低減することをおすすめします。
不審なアプリはインストールしない
アプリのインストールは、Google PlayやApp Storeなどの公式アプリストアから行いましょう。怪しいサイトからアプリをインストールすると、マルウェアに感染するリスクが高まります。
公式アプリストアで公開されているアプリは、一定のセキュリティ条件を満たしており、比較的安全性は高いとされています。ただし、稀に不正なアプリが紛れ込んでいるケースもあるため、公式アプリストアからインストールする際も運営元を確認しておくことが望ましいです。少しでも運営元に不安を感じる場合は、インストールを避けるようにしましょう。
まとめ
マルウェアに感染してしまうと、スマホが使えなくなるだけでなく、個人情報の流出といった深刻な被害を受けるおそれがあります。
マルウェア対策としては、セキュリティ対策サービスの導入が有効です。これにより、マルウェアを早期に検知できるだけでなく、感染のリスクがある行動をブロックすることもできます。
また、個人でできる対策としては、常にセキュリティ意識を高く持ち、不審なメールやSMSを開かない、怪しいリンクにアクセスしない、不審なアプリをインストールしないことなどが挙げられます。主な感染経路であるメールやSMS、アプリの取扱いに注意するだけでも、大幅にマルウェア感染のリスクを抑えられるでしょう。