ポップアップ詐欺とは?具体的な手口や対策方法を解説

ポップアップ詐欺とは、Webサイトの閲覧中に突然表示される偽のポップアップ画面を利用して、ユーザーの個人情報や金銭を不正に取得しようとする詐欺行為です。スマホやパソコンでインターネットを利用する多くの方が直面する可能性があります。
しかし、ポップアップ詐欺は適切な対策を講じることで未然に防ぐことが可能です。本記事では、ポップアップ詐欺の仕組みや具体的な手口、被害に遭った場合の対処法について詳しく解説します。
目次
ポップアップ詐欺とは

ポップアップ詐欺とは、Webサイトの閲覧中に突然表示される偽のポップアップ画面を利用し、ユーザーを騙して個人情報や金銭を不正に取得しようとする詐欺行為です。ウイルス感染やセキュリティ問題が発生しているかのように見せかけ、ユーザーに焦りや不安を抱かせることで冷静な判断を妨げます。
また、偽のポップアップ画面は、偽サイトに誘導することがある点も特徴です。リンクにアクセスさせて偽のWebサイトに遷移させ、クレジットカード番号やパスワードなどの個人情報を入力させるケースがよく見られます。ポップアップ詐欺は、見た目を正規の警告画面に似せて作成されているため、騙されないためには細心の注意が必要です。
ポップアップ詐欺の具体的な手口とは

ポップアップ詐欺はユーザーの不安を煽り、個人情報を盗み取る詐欺手法であり、その巧妙さから多くの方が被害に遭っています。ここでは、ポップアップ詐欺の具体的な手口を紹介します。
1.ブラウザ上に「ウイルスが検出されました」などのポップアップ警告が表示される
ポップアップ詐欺では、インターネットを閲覧している際に突然「ウイルスが検出されました」といった警告が表示されます。ポップアップはユーザーに危機感を抱かせ、即座の行動を促す仕組みになっています。
また、偽のポップアップ通知は正規の警告に似せて作成されることが多く、内容には「今すぐスキャン」や「修復するにはこちらをクリック」などの指示が含まれているのが特徴です。場合によっては、警告音が鳴り、ユーザーの不安を煽ります。
さらに、ブラウザ上で「通知の許可」を求めてくるケースもあるため注意が必要です。通知を許可すると、上記のような偽の警告メッセージがブラウザ上やロック画面に表示されてしまいます。スマホの警告については、こちらの記事でも解説しているのでぜひご覧ください。
スマホのハッキング警告は本物?表示された際の対処法について解説
2.悪質なサイトに誘導される
偽の警告メッセージを表示するだけでなく、ユーザーを悪質なサイトへ誘導する手口もあります。「ウイルスが検出されました」「システムの問題を解決するにはこちらをクリック」などと表示され、リンクをタップすると欺詐サイトへ飛ばされる仕組みです。
誘導先のサイトは、公式ページに似せて作成されていることが一般的です。サイト内で「問題を解決するためにアプリをインストールしてください」「サポートセンターに連絡してください」といった指示が表示され、金銭を騙し取られたり、個人情報を盗まれるなどさらなる詐欺へと発展する危険性があるため注意が必要です。
3.不正なソフトウェアのインストールや個人情報の入力などを求められる
さらに、不正なソフトウェアのインストールや個人情報の入力を求められることがあります。不正なソフトウェアにはマルウェア(スマホやユーザーに被害をもたらすことを目的とした、悪意のあるソフトウェア)が含まれている場合が多く、インストールするとスマホやPCが不安定になったり、個人情報が抜き取られたりするリスクが懸念されます。
サイト内でクレジットカード情報や銀行口座情報の入力を求められることもあるため、注意を怠ってはいけません。入力してしまうと、不正に利用されてしまうおそれがあります。
ポップアップ詐欺に遭ってしまったらどうなる?
ポップアップ詐欺に遭うと、個人情報の詐取や金銭的な被害に遭う可能性があります。以下で詳しく解説します。
個人情報を盗まれる
ポップアップ詐欺では、ユーザーを偽のWebサイトに誘導し、氏名やクレジットカード情報、住所などの個人情報を入力させます。詐取された個人情報は、悪用されるおそれがあります。
たとえば、詐取されたクレジットカード情報が不正に使用されるほか、氏名やメールアドレスがスパムメール送信や不正な取引に利用されることも考えられるでしょう。
金銭を騙し取られる
ポップアップ詐欺では、金銭的な被害に遭う場合もあります。偽サイトにクレジットカード情報を入力してしまった場合、不正利用されるリスクが高まります。
また、「サポート詐欺」と呼ばれる手口も増加中です。サポート詐欺では、「ウイルスに感染しました」といった内容のポップアップが表示され、記載された電話番号への連絡を促されます。電話をかけると、偽のサポートセンターにつながり、ウイルス除去やサポート費用名目で高額な料金が請求されます。
ポップアップを消す方法
ポップアップ詐欺の画面が表示されても、落ち着いて対処すれば安全に画面を消すことができます。詐欺目的のポップアップはいわゆる「フェイクアラート(偽の警告)」であり、実際にウイルスに感染しているわけではありません。
対処法として、まずブラウザのタブを閉じることが有効です。画面上に「ウイルスが検出されました」のような警告が表示されても、メッセージに従わず、タブの×ボタンを押して閉じてください。タブを閉じられない場合は、ブラウザ自体を強制終了します。
ブラウザを閉じたあとは、念のため閲覧履歴やCookie、キャッシュ情報の削除をおすすめします。これらの情報を削除することで、フェイクアラートを表示させる原因を取り除けます。
ポップアップ詐欺の見抜き方
ポップアップ詐欺の見抜き方には以下の方法があります。
- 公式サイトかどうかを確認する
- 連絡先情報が正しいかどうか確認する
- 「至急対応が必要」「スマホが危険な状態」などの過剰な表現があるか確認する
- 電話番号への連絡を促す記載があるか確認する
- 指定のアプリのインストールを求めているか確認する
公式サイトかどうかを確認する際には、怪しいリンクにアクセスせず、公式アプリや正規の検索エンジンを利用して公式サイトにアクセスするのが安全です。そして公式サイトに記載されている連絡先情報と見比べましょう。情報が異なっている場合は、ポップアップ詐欺の可能性があるため注意が必要です。
また、「至急対応が必要」や「スマホがウイルスに感染しました」といった警告メッセージは、不安を煽り、冷静な判断を妨げることを目的としています。このようなメッセージが表示された場合は詐欺を疑いましょう。また、電話番号への連絡を促したり、特定のアプリをインストールさせようとしたりする行為も、詐欺の典型的な手口です。
上記のポイントを意識し、少しでも不審に感じた場合はポップアップを無視してタブを閉じるかブラウザを終了するなど、冷静に対応することが重要です。
ポップアップ詐欺の対策・対処方法
ポップアップ詐欺の被害を防ぐためには、事前の対策が重要です。また、万が一被害に遭った場合でも、適切に対応することで被害を最小限に抑えられます。以下では、状況に応じた具体的な対策と対応方法を解説します。
【詐欺のリスクに備えたい場合】セキュリティ対策サービスを活用する
ポップアップ詐欺のリスクを低減するには、セキュリティ対策サービスの活用が有効です。
たとえば、ドコモの「あんしんセキュリティ スタンダードプラン」の「危険サイト対策」機能は、インターネット閲覧時に危険なサイトを判定し、アクセスしようとした際に警告を表示する機能です。偽のポップアップから遷移する不審なサイトへのアクセス防止に役立ちます。
【個人情報を入力してしまった場合】クレジットカード会社や銀行などに相談する
ポップアップ詐欺のサイトに個人情報を入力してしまった場合は、速やかに関係機関へ相談してください。クレジットカード情報を入力してしまった場合は、クレジットカード会社に連絡し、利用停止の手続きや支払いの停止を依頼する必要があります。
また、電子マネーで不正な支払いを行ってしまった場合は、電子マネーの管理会社へ被害を報告し、決済手続きの停止と救済措置について相談しましょう。
【詐欺被害に遭った場合】警察やIPAに相談する
実際に詐欺被害に遭った場合は、警察やIPA(情報処理推進機構)に相談し、指示を仰いでください。
また、スムーズな手続きを行うためにも相談する際は、偽のセキュリティ警告画面やインストールしたソフトウェアの詳細がわかる資料を可能な限り準備しましょう。事前に電話で相談日時や必要な持参資料を確認しておくと、あんしんして手続きを進めることができます。
まとめ
ポップアップ詐欺は、突然の警告メッセージや不安を煽る表示でユーザーを騙し、個人情報や金銭を狙う悪質な手口です。詐欺を見抜くためには、公式サイトや連絡先情報の確認、不安を煽るような過剰な表現の有無に注意することが重要です。また、被害に遭った場合には、速やかにクレジットカード会社や警察、IPAに相談して適切に対応してください。
詐欺のリスクを低減するためには、セキュリティ対策サービスの活用が効果的です。詐欺サイトやウイルス配布サイトへのアクセスを事前に防ぎ、不審なサイトへの接触を避けられます。セキュリティ対策サービスを活用し、安全にインターネットを利用しましょう。