スマホに感染するスパイウェアとは?感染時の症状と駆除する方法
スマホの急激な性能劣化や不審なアプリの動作、異常に増えた迷惑メールなどにお悩みではないでしょうか。スマホの挙動に何かしらの違和感がある場合、スパイウェアに感染している可能性が考えられます。
スパイウェアとは、ユーザーの知らない間に大切な個人情報を盗み出す危険なソフトウェアのことです。感染している場合は早急に対処する必要があり、個人情報を悪用した犯罪や詐欺に巻き込まれるリスクがあります。
今回はスパイウェアの概要や種類、侵入経路、症状などを解説します。スパイウェアを安全に駆除する方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
スマホに感染するスパイウェアとは?
まずは、スマホに感染するスパイウェアの主な特徴について解説します。スパイウェアの概要や、代表的なスパイウェアの種類について把握しておきましょう。
スパイウェアの概要
スパイウェアとは、ユーザーの同意なく情報を監視・収集し、不正に窃取することを目的としたマルウェアの一種です。不正なアプリやソフトウェアのダウンロード、不審なメールに記載されたURLへのアクセスや添付ファイルのダウンロードなどを通じ、さまざまな経路でスマホに侵入します。
スパイウェアは自己増殖しないため、基本的には自らほかのスマホやパソコンなどのシステムに感染を広げることはありません。ただし、ネットワークや共有ファイルなどを介してほかのデバイスに影響を与える可能性がある点には注意が必要です。
感染すると個人情報の漏洩や金銭的な被害などに発展することがあるため、スパイウェアの感染が確認された際は早急な対処が求められます。
スパイウェアの種類
スパイウェアにはいくつか種類があり、それぞれ異なる機能や目的があります。以下に、代表的なスパイウェアの種類と特徴を記載します。
【スパイウェアの主な種類と特徴】
種類 | 特徴 | 目的 |
---|---|---|
アドウェア | ユーザーに広告を閲覧させたり、特定ページへ誘導したりする | ・広告収入を得る ・個人情報の窃取 |
キーロガー | ユーザーのキーボード操作を監視、記録する | ・アカウント情報の窃取 ・不正アクセス |
リモートアクセスツール | ユーザーの許可なくスマホを遠隔操作する | ・監視行為 ・個人情報の窃取 ・不正アクセス |
トロイの木馬 | 表向きは無害なアプリを装い、裏でさまざまな不正行為を行う | ・個人情報の窃取 ・不正な遠隔操作 |
スパイウェア検出の判断材料となる感染時の症状
スパイウェアに感染しているスマホは、何かしらの不審な挙動が見られる点が特徴です。スパイウェア検出の判断材料になる症状について、以下で解説します。
スマホのカメラやマイクが勝手に作動する
スマホのカメラやマイクが勝手にONになる場合、スパイウェアに感染している可能性があります。スパイウェアはスマホを不正に操作し、カメラやマイクを通じて会話を盗聴したり、盗撮を行ったりすることも大きな特徴です。その結果、個人情報や機密情報などが漏洩するリスクが考えられます。
また、多くのスマホでは、カメラやマイクの使用中に小さなランプが画面上部に表示されます。アプリを起動していないときでもランプが点灯している場合は、スパイウェアに感染している可能性を疑いましょう。
通話中に異音がする
通話中に遠くから聞こえるような音声が流れる、会話が途切れる、「ピー」という音が流れるなどの不審な挙動がある場合も、スパイウェアに感染している可能性が考えられます。スパイウェアの種類によっては電話の盗聴・録音機能があり、通話音声の処理に影響を与えるからです。
異音の症状は通信強度が低い場合にも起こる可能性がありますが、頻繁に発生する場合はスパイウェアによる通信傍受も考慮する必要があります。
スマホの性能が低下する
スパイウェアは基本的にスマホのバックグラウンドで作動し続けるため、スマホの内部システム動作を阻害し、操作にも悪影響を与えます。スマホの動作が鈍くなったり、読み込み時間が長くなったりするといったパフォーマンスの低下が認められる場合、感染の可能性が考えられるでしょう。
ほかにもデータ通信量の増加や、急激なバッテリー消耗、急な電源OFFや再起動などの不審な挙動が認められる場合も要注意です。スパイウェアの感染が疑われる場合は、通信量が異常に増えていないか、バッテリーの減るスピードが早くなっていないかなどの点を一度チェックしてみてください。
スマホに知らないアプリやファイルがある
スパイウェア感染時のわかりやすい症状の一つとして、身に覚えのないアプリやファイルが勝手にダウンロードされていることが挙げられます。このようなアプリやファイル自体がスパイウェアである場合もあれば、なかには無害なアプリを装って不正な動作を行うタイプもあります。
特に、スマホに多くのアプリをインストールしている場合は、知らない間に1つアプリが追加されていても気づきにくいため、ユーザーの隙を突いた感染経路といえます。
したがって、定期的にアイコンや名前が不審なアプリはないか、アプリ使用時のバッテリー消耗が激しくなっていないかなどを確認してみましょう。見慣れないアプリが確認された場合、どのようなアプリか調べた上で削除しておくと安全です。
スマホが常に熱い
スマホが常に高温状態になっている場合、スパイウェアに感染している可能性も考えられるので要注意です。バックグラウンドで不正なシステムが作動していると、スマホのシステム処理に大きな負荷がかかり、発熱することがあります。
このような異常な発熱は、通常のアプリ使用やシステム処理では起こらないことが多く、突然症状が現れた場合はスパイウェアの影響による可能性が高いです。スマホを再起動しても改善されない場合は、早急に対策を講じることをおすすめします。
ポップアップ広告やフィッシングメールなどが頻繁に届く
ポップアップ広告やフィッシングメールが頻繁に届く、あるいは操作中に突然ポップアップ広告が現れる場合も、スパイウェアに感染している可能性があります。
これらの不正なメールや広告、警告文は、信頼性の低いサイトへの誘導が目的です。個人情報を盗み取るためのリンクや、偽のログインページなどに誘導されるケースもあります。
スマホに感染したスパイウェアを駆除する方法
スマホに感染したスパイウェアを放置すると、さまざまなトラブルに発展するリスクがあるため早急な対処が必要です。ここでは、スパイウェアを駆除する方法を解説します。
以下の方法で対処できない場合は、端末の再起動や初期化も検討してみましょう。
Androidスマホの場合
Androidでは、スパイウェアを手動で削除することが可能です。まずは不正なアプリの動作を停止するため、Androidデバイスをセーフモードで再起動します。その後に以下の手順を試してみてください。
- Android端末をセーフモードで起動し、「設定」アプリを開く
- Androidアプリ一覧を開く
- 表示された一覧に不審なアプリや見覚えのないアプリが混ざっていないか確認する
- 不審なアプリがある場合、無効化した後にアンインストールする
- 端末を再起動させる
iPhoneの場合
iPhoneも同様に、スパイウェアを手動で削除できます。デバイスに見覚えのないアプリがある場合や、インストール直後にバッテリーの急速な減少や動作の遅延といった症状が見られた場合、そのアプリを削除しましょう。iPhoneにおける手順は以下のとおりです。
- 「設定」アプリを開き、「一般」から「iPhoneストレージ」を選択する
- インストールされているアプリの一覧が表示されるので、不審なアプリや見覚えのないアプリがないか確認する
- 不審なアプリを見つけた場合は、そのアプリをタップし、アプリ詳細画面で「アプリを削除」を選択する
まとめ
さまざまな通信経路を使って侵入するスマホのスパイウェアは、バックグラウンドで不正な活動を行うため、ユーザーが気づかないうちにトラブルに巻き込まれるリスクがあります。
犯罪行為からスマホや自分自身を守るためにも、最新のOSへのアップデートはきちんと行い、不審なアプリがインストールされていないかを定期的にチェックしましょう。
また、フィッシングサイトやウイルス配信サイトなど、不審なURLにアクセスしてしまう不安がある方は、セキュリティ対策サービスやメールフィルタリングの活用を検討してみてください。
ドコモの「あんしんセキュリティ」では、スパイウェア感染を予防するための機能が充実しています。たとえば「危険サイト対策」機能では、フィッシングサイトやウイルス配信サイトなどにアクセスしようとした際に警告画面を表示し、ブロックすることが可能です。
「迷惑メール対策」機能では、迷惑メールと判断したメールを自動で振り分けて専用のフォルダに保存します。そのため、迷惑メールを開封せずに削除することができます。
スパイウェアの脅威からスマホを守るために、このようなサービスを活用して日頃からセキュリティ対策を徹底しましょう。