迷惑メールを放置すると危険?迷惑メールが届く理由や受信後の対処法を解説
迷惑メールを受け取ったことがある方も多いのではないでしょうか。迷惑メールが届いた際、無視しても問題ないと思いがちですが、実は放置することによるリスクも存在します。
本記事では、迷惑メールを放置することによる危険性や届く理由について解説します。また、迷惑メールの見分け方や届いたときの対処法なども紹介するので、迷惑メールによるリスクを低減させたい方はぜひ参考にしてください。
目次
迷惑メールを放置すると危険?
迷惑メールは、放置しているだけでは直接的な被害に遭うリスクは低いです。しかし、ほかのメールと同じフォルダでそのまま放置していることで誤って開封してしまい、メールに記載されたURLにアクセスしてしまったり、添付のファイルをダウンロードしてしまったりする可能性があります。
迷惑メールに記載されているURLにアクセスすると、遷移先のサイトで個人情報の入力を求められたり、不審なアプリのインストールを求められたりする可能性があります。もし個人情報を入力してしまうと、その内容が盗まれて不正に悪用されるというリスクが生じます。また、不審なアプリをインストールしてしまった場合や、迷惑メールに添付されているファイルをダウンロードしてしまった場合、ウイルスに感染するリスクがあります。
このように迷惑メールを放置すると誤って開封してしまい、上記のような被害に遭うリスクが含まれます。そのため、迷惑メールは放置せず適切な対処を行うことが賢明です。
放置していた迷惑メールを誤って開封するとどうなる?
迷惑メールのなかには、受信者がメールを開封したことを送信者に知らせる仕組みが含まれているものがあります。これは「Webビーコン」と呼ばれる技術で、メール内に埋め込まれた小さな画像ファイルが開封時に自動的にダウンロードされ、開封情報が送信者に伝わる仕組みです。
受信者が迷惑メールを開封すると、送信者はそのメールアドレスが有効であることが確認できるため、さらに迷惑メールが届く可能性があります。迷惑メールの量が増えると、誤ってURLにアクセスして遷移先でウイルス感染したり、ウイルスを含む添付ファイルをダウンロードしたりするリスクが高まります。
そもそも迷惑メールとは?
そもそも迷惑メールには、どのような種類があるのでしょうか。迷惑メールは主に「広告メール」「ウイルスメール」「詐欺メール(フィッシングメール)」の3つにわけられます。
以下に、種類ごとの概要をまとめました。
迷惑メールの主な種類 | 概要 |
---|---|
広告メール |
|
ウイルスメール |
|
詐欺メール(フィッシングメール) |
|
上記のうち、特に気をつけた方がよいのはウイルスメールと詐欺メールです。これらは悪意のある送信者によって送られているため、届いた際には適切に対処する必要があります。
迷惑メールが届く理由
迷惑メールの送信者は、どのようにしてユーザーのメールアドレスを知るのでしょうか。ここからは、迷惑メールが届く理由について解説します。
メールアドレスが漏洩している
自身のメールアドレスが何らかの方法で漏洩し、悪意のある第三者に知られてしまうと、迷惑メールが送付されるリスクが高まります。
メールアドレス漏洩の主な原因としては、登録している企業やサービスへの不正アクセスが挙げられます。こうした不正アクセスにより、多くのユーザーのメールアドレスが一度に漏洩する可能性があります。さらに、メールアドレスを登録しているWebサイトからの情報漏洩も考えられます。
メールが無差別に送信されている
迷惑メールの送信者はメールアドレスを大量に自動生成し、生成されたメールアドレス宛に迷惑メールを送っているケースもあります。自動生成したメールアドレスの多くは実在しない可能性が高いですが、なかには実在するメールアドレスに送信されることもあります。たとえば、単純な英単語のみ・数字のみなどのメールアドレスは、簡単にアドレスが生成されやすいため、迷惑メールが届く可能性が高いです。
Web上にメールアドレスを掲載している
SNSやブログなどのWeb上にメールアドレスを掲載している場合も、迷惑メールの標的となるリスクがあります。悪意のある第三者は、ボット(指定された作業の処理を自動化するプログラムやアプリケーションの総称)によってWeb上のメールアドレスを収集しています。ボットが収集したメールアドレス宛に迷惑メールを送信するという仕組みです。
運営元が不明なサイトでメールアドレスを登録した
運用元が不明なサイトやアプリなどでメールアドレスを登録した場合も、迷惑メールが届く可能性があります。特に無料のゲームアプリ、占いサイト、フリー画像サイトなどを利用する際にメールアドレスを求められることがあるでしょう。
これらのサービスのなかには、個人情報を適切に管理していないものもあり、セキュリティ対策が不十分な場合、第三者に情報が渡るリスクがあります。また、一部のサービスは利用者のメールアドレスをマーケティング目的で他社に売却することがあり、その結果、思いもよらない迷惑メールが急増することがあります。信頼できる運営元かどうかを確認し、不要なメールアドレスの登録は避けることが、リスク回避の一つとなります。
迷惑メールの見分け方
迷惑メールのなかには、開封しないと迷惑メールかどうか判断できないものもあります。たとえば、実在する企業を名乗るフィッシングメールはその一例です。フィッシングメールは実在する企業のメールアドレスと似たアドレスを使用していたり、ユーザーの不安な心理を煽るようなタイトルで送られてきたりするため、開封後に適切に判断しなければ誤ってURLにアクセスしてしまうなどのリスクがあります。
以下では、迷惑メールを見分ける方法について解説します。
件名・本文に不自然な日本語や文字化けがある
迷惑メールは、海外から送られているケースもあり、件名や本文が不自然な日本語になっていたり、文字化けしていたりする場合は迷惑メールを疑いましょう。ほかにも文字のフォントやスペース、句読点の使い方、見慣れない漢字の使用など、不自然な点がないか確認することが大切です。
送信元のメールアドレスが不自然
フィッシングメールは、実在する企業のメールアドレスを模倣したメールアドレスから送られてきます。
たとえば小文字の「l(エル)」を「I(アイ)」や「1」に変えていたり、「O(オー)」を「0(ゼロ)」していたりするなどの違いがあります。そのため、不審なメールが送られてきた場合は企業の公式メールアドレスと比較して、迷惑メールなのか見分けるとよいでしょう。
ただし、メールを開封しないとアドレス全体を確認できないこともあるため、開封せずに見える範囲で判断するのが賢明です。万が一開封してしまった場合は、記載されたURLへのアクセスや添付ファイルのダウンロードは行わないようにし、メールアドレスを再度確認することが大切です。
緊急性を過度にアピールしている
件名や本文に「あなたのアカウントに不正アクセスがありました。至急以下のサイトからアクセスしてログインしてください。」「○分以内にログインしないとあなたのアカウントは安全のため失効します。」などの緊急性を過度にアピールしているメールは、迷惑メールである可能性が高いです。
迷惑メールは受信者の不安を煽ることで判断能力を低下させ、URLへのアクセスや添付ファイルのダウンロードを促します。しかし、実在する企業であってもこうした緊急性をアピールするメールは届くため、まずは落ち着いて迷惑メールであるかどうかを判断するようにしましょう。
迷惑メールが届いたときの対応方法
悪意のある送信者は、さまざまな手段を使ってメールアドレスを入手しています。そのため、迷惑メールが届いたときの対処法についても確認しておきましょう。
すぐに削除する
迷惑メールを放置したままにすると誤って開封してしまったり、掲載されているURLにアクセスしてしまったりするリスクがあるため、迷惑メールだと判断した場合や、誤って開封してしまった場合は、その時点ですぐに削除しましょう。
迷惑メール内のURLにはアクセスしない
迷惑メールを誤って開封した場合、メール内に記載されているURLにはアクセスしないようにしましょう。迷惑メールは実在する企業になりすまして、言葉巧みにURLにアクセスするように促します。アクセス先の偽サイトでは個人情報の入力を求められ、入力してしまうと情報漏洩や不正利用される危険性があります。URLが記載されている場合は慎重に対処し、不審なリンクにはアクセスしないことが重要です。
添付されたファイルはダウンロードしない
迷惑メールによる被害を防ぐためには、迷惑メールに添付されたファイルをダウンロードしないようにしてください。添付されているファイルにはウイルスが仕込まれている可能性があり、ダウンロードすることでウイルス感染したり、システムが破壊されたりする危険性があります。特に、見覚えのない送信者や内容に心当たりのないメールには、決してファイルを開かないように注意しましょう。
キャリアメールの場合も同様に、迷惑メールのファイルを開かないよう注意してください。
迷惑メールのリスクを低減する方法
迷惑メールによるリスクを低減させるには、不審なメールを開封しないような対策や、届きにくくなるような対策を行う必要があります。以下で対策方法について紹介します。
メールフィルタリング機能を活用する
迷惑メールによるリスクを低減させるためには、キャリアが提供するメールフィルタリング機能を活用するのがおすすめです。迷惑メールは開封しないと判断できない場合もありますが、メールフィルタリング機能を活用すれば、開封して確認するリスクや手間を減らすことが可能です。
ドコモの「あんしんセキュリティ」の「迷惑メール対策」には、詐欺などの危険なメールを含む迷惑メールを自動で判定し、専用フォルダに振り分ける機能があります。そのため、リスクのある迷惑メールを開かずに削除できるというメリットがあります(ドコモメールがご利用いただけない場合、「迷惑メール対策」機能はご利用できません。)。
数字や記号を組み合わせて複雑なメールアドレスにする
悪意のある第三者は送信先のメールアドレスを自動生成して、無差別に送ります。そのため、名前や単純な文字列などの簡単なメールアドレスは生成されやすいため注意しましょう。
英語や数字、記号などを組み合わせて複雑なメールアドレスにすると自動生成されにくくなるため、迷惑メールの受信の確率を減らせるでしょう。
ネット上にメールアドレスを公開しない
先述したとおり、SNSやブログなどで公開しているメールアドレスは、ボットによって自動で収集されるケースがあります。そのため、インターネット上にメールアドレスを公開しないようにしましょう。
不審なアプリ・サイトは利用しない
メールアドレスの収集を目的に、アドレス登録を促すアプリやWebサイトも存在します。無料のゲームアプリ、占いサイト、フリー画像サイトなどは手軽に利用しやすいものですが、運営元が不明といった不審な点がある場合は、利用やメールアドレスの入力を避けた方が賢明です。
また、不審なアプリやサイトではメールアドレスだけでなく、ほかに入力した個人情報が悪用されたり、ウイルスに感染したりするなどの危険性もあります。セキュリティの観点からも、利用しないように心がけてください。
まとめ
迷惑メールを放置するだけでは直接的な被害に遭うリスクは低いといえます。しかし、放置した迷惑メールを誤って開封し、記載されたURLにアクセスしたり、添付ファイルをダウンロードしたりするなどの危険性があるため、迷惑メールが届いた場合はすぐに削除することが大切です。
また、悪意のある第三者は実在する企業やサービスになりすまして迷惑メールを送るケースもあるため、誤って開封してしまうこともあるでしょう。その場合は、メール内に不自然な日本語がないか、送信元のメールアドレスに怪しい点がないかなどを確認すると見分けられます。
迷惑メールによるリスクを低減させるためには、メールフィルタリング機能の活用や複雑なメールアドレスの設定、ネット上にメールアドレスを公開しないなどの対策がおすすめです。適切な防御策を講じて、メールによるトラブルを未然に防ぎましょう。