メタバース投資詐欺とは?具体的な勧誘方法や回避する方法を紹介

メタバースの市場拡大に伴い、仮想空間での投資が注目を集めています。しかし、その成長を悪用した「メタバース投資詐欺」も横行しています。
メタバースの投資詐欺が増加している背景には、「法整備が進んでいない」という点が挙げられます。関連する法規制が追いついていないため、詐欺行為が発生しても検挙が難しい状況です。
本記事では、メタバース投資詐欺の具体的な勧誘方法と、それを回避するための対策について詳しく解説します。
目次
メタバースとは

メタバースとは、インターネット上に構築された仮想空間のことです。現実世界とは異なり、仮想空間ならではの体験やコミュニケーションが可能で、そこでは経済活動も行われます。ユーザーは自身の分身であるアバターを操作し、3次元の空間内を自由に移動したり、他者と会話をしたりすることが可能です。
また、企業やクリエイターによるバーチャル店舗やイベントが開催され、商品やサービスの売買も活発に行われています。たとえば、デジタルアートやファッションアイテムの販売、バーチャルオフィスでの会議など、その活用方法は幅広いです。近年では、エンターテインメントだけでなく、教育やビジネスの分野でも注目を集めており、今後さらなる発展が期待されています。
メタバース投資詐欺の手口
メタバース投資詐欺とは、主にメタバース上の土地やデジタル資産を利用した詐欺行為のことです。メタバース市場は急成長しており、2026年度には1兆円まで拡大すると予測されています。この成長を利用し、「将来価値が上がる」と謳って投資を促したり、マルチ商法へ勧誘したりする手口が増えています。
悪意ある人たちは、専門家を装い信用させたり、高いリターンを強調して判断を鈍らせたりすることで被害者を騙します。また、メタバース関連のセミナーでの勧誘や未公開プロジェクトへの投資話も危険です。ここでは、メタバース投資詐欺の代表的な手口について紹介します。
出典:総務省|事務局資料
専門家を装って接近する
メタバース投資詐欺では、悪意ある人たちが専門家を装い、投資初心者に接近するケースが多く見られます。彼らはメタバースに関する専門用語を駆使し、まるで成功者のように振る舞うことで信用を得ようとします。さらに、親身に相談に乗ることで警戒心を解き、次第に信頼を築いていきます。その後、「将来性のあるプロジェクト」などと称して、実体のない投資話を持ちかけ、資金を騙し取るのです。
専門的な知識を持っているように見えても、相手の身元をしっかり確認し、不審な投資話には慎重に対応することが大切です。
高いリターンを強調する
メタバース投資詐欺の手口の一つとして、「短期間で〇倍のリターン」といった高収益を強調するケースが挙げられます。投資詐欺の常套手段として、「今しかない」「誰でも簡単に儲かる」といった言葉で焦りを煽り、冷静な判断力を失わせようとします。
そのため、メタバース投資の話を持ちかけられた際は、「リスクゼロ」「絶対に儲かる」などの言葉には注意が必要です。現実的には、リスクのない投資は存在せず、メタバースの成長に便乗した詐欺話が後を絶ちません。甘い言葉に惑わされることなく、投資先の実態を十分に調査し、信頼できる情報源をもとに判断することが重要です。
メタバースに関するセミナーなどでマルチ商法に勧誘する
メタバース投資詐欺では、セミナーやオンライン講習会を利用してマルチ商法に勧誘するケースもあります。たとえば「メタバース上の土地の販売権」などと謳い、魅力的な投資案件のように見せかけます。しかし、その実態は高額な商品やサービスを購入させ、新たな会員を勧誘することで収益を得る仕組みになっています。
このようなマルチ商法では、一部の上層部だけが利益を得る一方で、多くの参加者は損失を被ることになります。投資案件が実際に利益を生む仕組みなのか、疑わしい場合は関与しないことが最善の防御策となります。
未公開のメタバース関連サービスに投資を持ちかける
「未公開情報をもとにした投資案件」という言葉に惹かれる人は少なくありません。しかし、メタバース関連の未公開プロジェクトを利用した投資詐欺は、非常にリスクが高い手口の一つです。
悪意ある人たちは投資話を持ちかけますが、実際にはそのプロジェクトの実態が不明なことがほとんどです。情報の真偽を確かめることができず、相手の話術に騙されるリスクが高まります。
特に、匿名で運営されているプロジェクトや、実際の開発状況が不明な案件には注意が必要です。投資を検討する際は、公式な情報を確認し、有識者や専門家の意見も参考にすることが大切です。
「メタバース投資」など投資詐欺のリスクを低減させる方法

詐欺のリスクを最小限に抑えるためには、常に最新の情報を収集し、慎重な判断を心がけることが必要です。ここでは、メタバース投資詐欺などのリスクを低減させる具体的な方法を紹介します。
メタバースについての情報を見極める
メタバース投資に関する情報は、正確に見極めることが重要です。悪意ある人たちは専門用語を巧みに使い、あたかも信頼できる投資案件のように見せかけます。しかし、その情報源が信頼できるものであるかを慎重に確認する必要があります。
たとえば、金融庁や消費者庁などの公的機関や、信頼性の高いメディアを参考にすることが大切です。特にSNSや個人ブログなどの情報は信憑性が低い場合があり、悪意ある人たちが意図的に誤情報を流しているケースもあります。正しい情報を収集することで、不審な投資案件を見抜く力を養うことができ、詐欺の被害に遭うリスクを低減できます。
ハイリターンを謳う儲け話には警戒する
投資詐欺の特徴の一つとして、「必ず儲かる」などと謳う手口が挙げられます。悪意のある人たちは言葉巧みに投資を急がせることで、冷静な判断をさせないように仕向けます。しかし、基本的にリスクなしで高収益が得られる投資話は存在しません。そのため「儲かる」と強調する投資話には注意が必要です。
甘い話には裏があると考え、一度立ち止まって情報を精査することが大切です。焦って決断するのではなく、有識者や専門家の意見を聞いたり、過去の事例を調査したりすることで、詐欺に巻き込まれるリスクを減らせます。
業者が金融庁に登録されているかを確認する
投資の勧誘を受けた際には、まずその業者が金融庁に登録されているかを確認することが重要です。金融庁の公式Webサイトでは、登録業者のリストが公開されており、業者の正当性を確かめることができます。登録されていない業者が投資を勧誘している場合、それは違法業者である可能性が高く、詐欺に巻き込まれるリスクが非常に高まります。
たとえば海外の未登録業者や、個人名義で営業している業者には注意しましょう。投資を検討する際には、相手の身元をしっかり確認し、少しでも不審な点がある場合は関わらないようにすることが賢明です。
セキュリティ対策サービスを活用する
投資詐欺は、WebサイトやSNSの広告を通じてフィッシングサイトに誘導するケースも多く見られます。特に、メタバース投資を装ったサイトは巧妙に作られており、一見すると正規の企業やサービスに見えるため注意が必要です。こうした詐欺を防ぐためにも、セキュリティ対策サービスを活用することをおすすめします。
たとえば、ドコモの「あんしんセキュリティ スタンダードプラン」の「危険サイト対策」機能を利用すれば、アクセスしようとしたサイトが偽サイトである場合に警告が表示されます。これにより、フィッシングサイトにアクセスしてしまうリスクを低減でき、個人情報や資産の保護につながります。
まとめ
メタバース投資の人気が高まる一方で、それを悪用した詐欺の手口も増えています。悪意ある人たちは、専門家を装って信用させたり、高いリターンを強調して判断を鈍らせたりすることで、投資者を騙そうとします。また、未公開のプロジェクトを持ちかけるケースや、メタバース関連のセミナーを利用してマルチ商法に勧誘する手口も代表的です。
こうした詐欺に遭わないためには、投資に関する情報を慎重に見極めることが求められます。たとえば金融庁や消費者庁などの公的機関の情報を確認したり、業者が金融庁に登録されているかをチェックしたりしましょう。また、「リスクなしで儲かる」といった話には警戒し、冷静に判断することも大切です。
その上でセキュリティ対策サービスを活用し、フィッシングサイトなどへのアクセスを防ぐことで、詐欺に対するセキュリティレベルをより高めることができます。詐欺の被害を防ぐために大切なのが、正しい知識と慎重な行動です。十分な注意を払い、適切な対策を講じるようにしましょう。