最近のフィッシング詐欺は「CPC」に要注意!?
30秒でわかる記事まとめ
- フィッシング詐欺のメールやSMSは受信者を脅かすような内容のメッセージが大半だったが、最近は潮流に変化が。
- 新たな要注意キーワードはCPC(キャンペーン(Campaign)、ポイント(Point)、クーポン(Coupon))。どれも受信者を喜ばせるような内容が特徴。
- とは言え、「受信者の冷静な判断を鈍らせたい」という目的は一緒。内容の良し悪しにかかわらず、慌てて文中リンクをタップしないことが鉄則。
フィッシング詐欺の報告件数はコロナ禍以降、右肩上がり
「ある日、証券会社からセキュリティ確認のメールが届き、促されるまま文中リンクからWebサイトに飛んでID・パスワードなど口座情報一式を入力したところ、間もなく自分の口座にログインできなくなった……」。
2025年春、上記のような証券口座の乗っ取りが多発しました。乗っ取りの起点となったのは証券会社を騙ったフィッシングメールで、その件数は31万件に達しています(令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について/警察庁)。コロナ禍以降、こうした詐欺メール/SMSの報告件数は右肩上がりで、フィッシング対策協議会調べでは、直近2025年は年間245万件を超えたとのこと。
しかも量が増えただけでなく、海外発の文章を直訳しただけの稚拙な文章のメールは姿を消し、公式がすでに発信したことのあるメッセージを流用するなど公式のメールと見分けがつかないメールを送り、受信者を惑わすようになっています。
特に注意したいのが、新しい要注意キーワード「CPC」です。
受信者が喜んでしまう詐欺メール!?
悪意ある人たちはフィッシング詐欺を成功させるため、受信者が反射的に文中リンクをタップしてしまうようなメッセージを作ります。
これまでは、“危機”が発生していると感じさせ、“緊急”性を加えることで判断力を奪いつつ、官公庁や著名企業を騙ることで『大手企業なら間違いないだろう』と判断力を鈍らせるという、危機・緊急・権威の「3K」キーワードを巧みに扱う手口が目立ちました。
ところが最近はその潮流に変化が見られます。注目すべきキーワードは「キャンペーン(Campaign)、ポイント(Point)、クーポン(Coupon)」の「CPC」です。
共通点はどれも受信者にメリットがあること。
「現在、あの人気製品が半額で購入できる“キャンペーン”を開催中!」「しかも購入時に付与される“ポイント”も倍増中です!」「さらに期間限定で使える割引“クーポン”も差し上げます!」などなど、メッセージを読んだ受信者をこれまでのように脅かすタイプではなく、むしろ喜ばせることで積極的に文中リンクをタップしてもらおうという逆転の発想(?)なのです。
とは言え、これまでポピュラーだった「アカウント凍結/決済できません」系の「3K」メールとやっていることは変わりません。要は冷静な判断を鈍らせ、反射的な行動を促そうとしているのです。
家庭用セキュリティ対策製品を扱うマカフィーの調査では、「物価上昇で商品の安さに詐欺の兆しを見過ごす消費者が増加」という傾向が示されています。特にセール期間中はさまざまなECサイトが軒並み価格を下げたり関連キャンペーンを開催していたりするので、いつもなら怪しむようなお得情報も素直に信じてしまいがちです。
対策は、内容の良し悪しはともかく、驚くような「お得」な文面を見ても慌てて文中リンクをタップせず、確認すること。公式だと思って訪問したECサイト自体がニセモノという可能性すらあり得るのです。
メールやSMSに記載されたリンクを安易に開かず、自分で検索した公式サイトないし公式アプリから、同様の情報が発表されていないか確認する癖を付けましょう。面倒かもしれませんが、クレジットカード情報一式が盗まれてしまった際の労力・金銭被害を考えれば楽なものです。